以前ここで書いたことがある。
私の伯父は,生涯,高校の理科の教師だった。
戦前の生まれで,当時の共通一次試験(今のセンター試験)で頗る優秀な成績をおさめたそうだ。
私の母を始め6人の弟や妹を養うために,大学に残ることを嘱望されていたのに,大卒後すぐに高校教師なった。
その伯父は,20数年前に,私が大学の教員になった時に,自分のことのように喜んでくれた。
私の結婚式では,あまり飲めない酒をたらふく飲んで,顔を真っ赤にして,黒田節を謡ってくれた。
そして,会うたびに,私が自分の娘を伯父さんちに連れていく度に,こう言ってくれた。
「たけおは偉いなぁ,偉くなったなぁ」って。
そんな伯父は10数年前に亡くなった。
伯父は最後の最後で頑張った。
これが最後って言われながら,見舞いに行くと,いつも頑張ってくれた。
その度に…高校の,もう年もいった教え子たちが,たとえ深夜でも,病室の前で,病院や家族の邪魔にならないように,それこそ溢れんばかりに集まって,伯父のために祈ってくれた。
最期に伯父が亡くった時…
今でも伯父の声が時々思い出される。
「たけおは偉いなぁ」
…全然偉くなんてない。
まだまだだ。
伯父さんの足元にも及ばない。
学生の気持ちに全然寄り添えていない。
言い訳だらけだ。
忙しさを言い訳にする。
でも…いつかは伯父に追いつきたい。
わたしにとって最高の教師は…
インター大会が迫っている。
うちのゼミの連中は,ここまで本当に頑張っている。
ゼミの際には,面と向かっては,言ったことはないが…私は君らを誇りに思っている。
よーく,ここまで取り組んできたと思う。
16期のこと,大切に思っている。
ここから…やれるところまで,やりきりなさい。
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