今,NHKの「プロフェッショナル」で,映画の美術監督である種田陽平が扱われている。
それで思い出した。
古い友人を。
大学院生の頃,調布に住んでいた。
事情があり,3LDKのマンションに。
やたら部屋が広いので,良く友人たちが遊びに来て,泊まっていった。
大声を出しすぎて,よく近隣の方に怒られたものだ。
本当に申し訳ないことでした。
私には広島の三原市に親友がいるが,その親友の友人に調布に住んでいるのがいて,知り合いになってからちょくちょく我が家に遊びに来るようになった。
そいつの名前は花谷秀文。
当時は,映画の大道具をやりながら,美術監督を夢見ていた。
調布には映画の撮影所があり,我が家は比較的その近くであったから,仕事帰りに酒を飲みに我が家によっては,二人で将来のことを良く語ったもんだ。
金があるときは,撮影所の近くのレゲエ音楽をがんがんに流す怪しいバーで,夜通し花谷と飲んだ。
帰り道,酔っぱらって,夜中に,あみんの「待つわ」を大声で歌い,「うるさい!」と怒鳴られたことが思い出される。
その花谷(当時,奴は自分のことをガヤと周りの人間に呼ばせていた)が,「大奥」という映画の美術監督をして,日本アカデミー賞の優秀美術監督賞を受賞したらしい。
偉くなったもんだ。
奴が住んでいたアパートが火事で焼失し,調布を出て,確か明大前のアパートに移ってから,会う回数がぐっと減った。
そして,おそらく私が博士課程に進んで以降,かれこれ20年以上は音信不通の状態。
でもさっき,彼の名前でググってみたら,ちょっと歳はとったけど,あまり変わらない奴の姿があった。
いずれまた会うことがあるだろうか。
20年以上前のあの時期,酒を飲みながら語った夢を,一応,お互い何とか叶えたよな,なぁガヤ。
でも,まだまだお前も夢の続きのなかで生きてるだろうさ。
俺もだよ。
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