渡辺ゼミ20期生は,後輩である21期生を実に良くサポートしてくれた。
3年生には4年生のチューターが一人あるいは二人,必ずつくことになっているが,その枠組みをこえて良くサポートしてくれた。
21期生の20期生に対する親愛の情の表明の仕方が半端ないことからも,そのことがうかがえる。
渡辺ゼミには,恩送りという言葉がある。
私や先輩に恩を感じたとしたら,恩を提供してくれた人たちに返すのではなく(その必要はなく),むしろその恩を感じた分だけ自分たちの後輩たちに尽くす。
これである。
21期生は,22期生に恩送りをしようと意欲満々のようだが…
サポートの仕方について,誤解をしてはいけない。
22期生は,21期生と同様に,これから研究という山登りを始める。
登る山は,まだ誰も登ったことがない山。
登攀ルートは確立されていない。
時に道に迷い,時に登ってはまた下り,時には濃霧で前に進めないこともあろう。
それを自力で登らなければならない。
決して,背中を押したり,前から引っ張ってあげたり,物理的な支援をしてはいけない。
また,登攀ルートの正解を教えようとしてもダメだ。
そもそも未踏の山だ。
21期生にも正解は分かるまい。
いや,私にも分からない。
それなのに無理して「正解のような」ルートを示唆しても,22期生を混乱させるだけだ。
21期生は22期生の精神的なサポートに重点を置くと良い。
私はこれまでも決して「答え」を与えてこなかった。
そのルートを進もうとしていたならば,それは選択した理由はなぜか,なぜそのように考えるのか「問い」を通じて,彼らが合理的な選択をもって登攀することができるようにしてきただけ。
これは22期生に対しても変わらない。
決して21期生を甘やかしてはいけないよ,21期生諸君。
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