2023年11月21日火曜日

プロデュース論9回目!!

本日の講師は,日テレのカリスマプロデューサーで,今年独立してGontentsという代表社員をされている土屋敏男氏。

あの伝説の電波少年のプロデューサーで登場する際のダースベイダーの音楽で超有名。

T部長です!


テレビを見る人はどのくらい減っているか?

1997年がピークで,プライムタイムに70%ぐらいの人がテレビを見ていた。

2022年になると,同じ条件で50%ぐらいしかテレビを見ていない。

特に若い男女の下落率が大きい。

若い人の三分の一くらいしかテレビを見ていない。

今年,テレビ局がパニックになるくらい,ここ数年の下落はひどい状況。

それに伴って営業収入も減少。

テレビ局の方々の予測を上回るペースで減少。


歴史を振り返ると…

1953年にテレビ放送が始まるが,当時,謳歌していた映画界はテレビ業界の発展の邪魔をしつつ(映画業界は5社協定といって映画俳優をテレビに出さないようにした),1958年には映画観客数史上最高の11億2700万人を記録。

しかし,その後10年ごとに三分一に減少し,1968年には3億1300万人,1978年には1億6000万人へ。

その後,現在まで1億人程度で推移。

テレビは社会の「窓」として機能。

人間は「周りで何が起きているのか?」という情報が必要(人間は一人では生きられない弱い生き物)。

社会の情報の提供媒体として噂話,瓦版,ラジオ・映画,そしてテレビへと変遷してきた(家に帰ると「テレビを点ける」ということが習慣化)。

そこにネット・スマホが登場。

それにより,社会の「窓(映像)」と自分の距離が変化した。

スマホは手の中にある(映画は映画館に行かないと見れない)。

映画観客数が20年かけて観客数が七分の一になったように,テレビを見る人はまだまだ減ると予測(小学生,中学生の子供たちにとって「YouTubeはなんでもある」し,そして自分の時間で見れる。赤ちゃんの子守りがYouTubeになっているという現実)。

TV is Kingの時代は完全に終わった。

TVの落ち込み方は映画を上回る可能性がある。


では,テレビ局はどうすれば?

各テレビ局は新しいビジネスモデルを模索している。

そもそもテレビ局とは…

①電波を使って番組を送り出すプラットフォーム

②番組というコンテンツを作る製作工場

コンテンツをクリエイトするとは?

歴史上最初のコンテンツは,グーテンベルクの活版印刷術によるグーテンベルク聖書(1455年,紙または羊皮紙で180部印刷)。

コンテンツを作るとは,コンテンツでビジネスをする,ということ。

ビジネスを前提としたクリエイティブをコンテンツと呼ぶ。

コンテンツを作るにはそのコストが発生するので,それを回収するビジネスモデルが必要となる。

また,その流通(大量生産,大量流布)にもコストがかかる。

果たしてコンテンツを作るのに必要なコストとは?

一般的な製作費(技術費,出演費,美術費など)のほかに,クリエイトしたもののコストは?そしてその価格はどう決められている?

それはプラットフォーム側が決める(需要と供給の関係で決まる,最近の実例はYouTube!YouTuberの1再生当たりいくらというフィーが激減!残ってほしい人には単価を高く,いなくなっても良いと思う人には単価を低くして,人によって格差をつけた!)。

ところで,日本のテレビ局は何を間違ったのか?

DX

2005年アメリカのNBCのトップはこう言った。「そこ(ネット上)にビジネスがあるからやるのは当たり前だ」

アメリカと日本の違い。

アメリカ:ビジネス至上主義・権利は勝ち取るもの:変化に対応しやすい

日本:忖度主義・集団主義・権利はお上からもらうもの:変化に対応しにくい

2007から2008年にかけての全米脚本家組合ストライキ


テレビ包囲網のもう一つはNETFLIX的なもの

NETFLIXの年間製作費は2.4兆円。

他方で日本テレビの年間製作費は約850億円…

Amazon Primeが1.8兆円。

ヒットコンテンツ1本で世界をひっくり返せる時代(例:イカゲーム)。

次のイカゲーム2の製作費は100億円以上と言われている。

個人のクリエイティビティが大切な時代。

クリエイティビティとは,企画力,演出力,プロデュース力。

では,企画力はどうつけるか?

欲望を持て!

不満を持て!

疑問を持て!

好奇心を持て!

遠回りせよ!


地上波テレビで労咳になることを避けて土屋さんがやっていること。

ケーブルテレビのやっている「地元密着型番組」ではなく「地元吸着番組」を創る。

地元吸着番組を創っていると,キー局でもローカル局でもない,ケーブル局だからできることがあることに気づく。

今秋からの新企画①

豊田市出身芸人M-1への道(一回戦から放映,二回戦,三回戦,準々決勝,準決勝,決勝)

今秋からの新企画②

いいひと,いいこと,嬉しかったことニュース

キー局で出た一般人は1億分の1

豊田市のケーブル局で出たひっぱん人 40万人分の1

波及力が何十倍!

見せるのではなく,伝える,そして動かす!

街の人を巻き込んで街を変える!

地上波テレビからケーブルテレビへ!

どこであろうと,どの大きさであろうと,「今ないものを作り」そして「それを喜んでくれる人がいること」が土屋さんの人生の価値。


これから社会に出る学生に伝えたいこと!

学生:与えられるもの>与えるもの

社会人:与えられるもの<与えるもの

この差が社会を進める力になる!

仕事を「させられる」と考えるか,「する」と考えるか。

仕事を「する」スタンスで仕事をしよう!

また,仕事と労働は違う!

ブラック企業とか働き方改革とかは,労働の話であり,仕事の話ではない!

労働は数値で測られるもの

仕事はやりがいで測られるもの

仕事は数値で選ぶのではなく,自分に向いているもので選ぶべき。


自分で向いているものを見つける方法は…

任天堂の岩田聡元社長の言葉

労力の割に周りが認めてくれることが,きっとあなたに向いていること。

それが自分の強みを見つける分かりやすい方法だ。


卒業後,映像制作者になるなら…

Youtuberはレッドオーシャンであることを覚悟せよ!

NETFLIXなどグローバルなSVODで世界向け映像コンテンツを作る!

今できることは英語力と製作能力をつけ,テレビ局か製作プロダクションに入る!

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