2019年8月30日金曜日

夏合宿2日目晩 4年の発表

ネガティブ感情の効果に関する研究。
仕事上の失敗に伴い「恥」の感情が生起することは多い。
恥をかいた後に,失敗の原因を何に帰属させるかによって,内発的動機づけを促進することもあれば,無力感が高まってしまうこともある。
恥の生起がどうしても避けられないのなら,その後のケアが大事になる。
恥をかいた後,その当該の成員に対する適切なソーシャルサポートが必要になる。
帰属様式を望ましい方向に誘導する介入。
これである。
適切な介入の在り方は,失敗の大きさ,恥の大きさ(凝集性が高い場合は増幅する?),組織成員の失敗の経験数などによって違うかもしれない。

越境学習に関する研究。
越境学習を組織成員が自発的にするような環境をいかに創るか…という観点ではなく…
プランドハプンスタンス理論(計画された偶発性理論)などを援用して,越境学習の数,範囲,頻度などによって,将来のキャリアが影響を受けるのでは…という観点から研究を進めた方がいいかも。

残業時間に関する研究。
業務の透明性,時間の透明性,コミュニケーションの透明性(この概念の意味が良く分からない)の3つが,残業の伝播や遺伝を抑止するという部分の理屈が良く分からない。
また,上記の3つが仮に残業時間を減らすとしても,残業時間を0にすることが本当にベストなのかどうか,また残業時間を減らすほどジョブパフォーマンスが促進されるのか,といった諸点について疑念が残る。

支援的なユーモアの組織的影響に関する研究。
支援的ユーモアが人脈の形成に影響を及ぼしていると仮定するのならば,まずは人脈の研究をしっかりレビューすることが大事だね。

社内SNSが知識創造に及ぼす影響に関する研究。
SNS上で貴重な情報・知識が流通する状況であれば,知識創造を促進するかもしれないが,重要なことは,どうすればそういった貴重な情報や知識をSNS上に提供するよう促すことができるかってこと。
それを促す要因としては…まず「垂直的な情報・知識提供」ということであれば,垂直関係の上位者にそれをするインセンティブの供与が大事。
水平的なってことになると…これが難しいね。

合宿2日目午後 4年の発表

フリーライダーの研究。
フリーライダーは,あがり型,暗黒フォース型,クラッシャー型,成果・アイデア泥棒型の4つのタイプに分類されるが…
この連中は,発生を抑制するか,フリーライド行為を解消するかしかない。
多面的な評価や組織規模を最小化するなどして。
しかし,この研究では,フリーライダーを「なくす」のではなく,それを有効人材への転換させるのにはどうしたらいいかを考えたい,そうだ。
そうすると,上記の4つのタイプ以外に,フリーライダーがいて,それを何らかの方法によって,活用する方策を考えなければならないわけだが…
なかなか難しい。

予算スラックに関する研究。
予算スラックの形成と効果に対して,個人特性(ビックファイブや楽観・悲観主義など)や組織特性(組織文化,組織構造)や環境特性(認知された環境不確実性など)などが影響を及ぼしているという観点で研究を進めるってことで,方向性は決まったかなぁ。

合宿2日目午前 4年の発表

初日の午後に3年生の3つのグループが全て発表。
それぞれにフィードバックして,晩にそのフィードバックを受けてリファインした再報告の内容に対して,さらにフィードバックを与える。
2日目の午前中,3年生は,その再々フィードバックを受けてのリファイン作業にあたっている。

ということで,今日の9時からは,4年生が卒論報告を行っている。
一人目は,フロー状態に到達する営業マンの行動特性に関する研究。
フローへの到達条件は,理論的には「明確な目標があること」,「迅速なフィードバックがあること」,「挑戦水準と能力水準が均衡しているという認知がなされていること」の3つがあげられている。
営業職に関する先行研究をレヴューした結果,次の行動特性を備えている営業マンは,フロー状態に到達しやすいのでないかという,仮説を導出した。
「チャレンジ精神が横溢していること」,「適切な時間管理ができること」,「顧客とディープな関係性を構築できること」の3つ。
以上をカリスマ営業マンの営業活動に帯同させてもらい,その行動を観察することを通じて,修正すべきところは修正し,加えるところがあれば加えることで,より適切な行動特性を析出する。
帯同させてもらうカリスマ営業マンについては,私がプルデンシャル生命保険の凄腕営業マンを紹介してあげよう。
最終的には,ラージサンプルをゲットして,析出された行動特性が,フロー到達のための要件として妥当であるかを検証することになる。

二人目は,中途採用者にハイパフォーマンスを発揮してもらうために必要な諸条件に関する研究。
まず前提として,組織再社会化を経たうえで,さらにパフォーマンス発揮のための条件が必要なのか,中途採用目的,職種,あるいはポジションによっては,組織再社会化は全くあるいは部分的に必要なくて,パフォーマンス発揮の条件を整備してあげることを最優先すべきなのか…
まずはその辺の整理が必要。

三人目は,アメーバ経営とイネーブリング認知との関係を究明しようとする研究。
リペア,内部透明性,全体透明性を何が高めているのか。
この3つについては組織成員個人が仕事に対してどのような姿勢で臨んでいるのか(例えば,職務上の目標達成への意欲の高さであるとか)が,関与しているのかもしれない。
もちろん,アメーバに対するリテラシー教育の充実度などの組織的施策も関係しているかもしれないが…
柔軟性については,逆に,組織的特性が強く関与しているような気もするね。
イネーブリングの先行要因の先行要因の追究が大事。

2019年8月29日木曜日

夏合宿初日の午後 4年の一人目と二人目の発表

マインドフルネス瞑想とWell Beingの関係を究明する研究。
まずは組織における「瞑想」というのをどのように捉えるのかを明らかにすることが大事。
大きな商談やプレゼンの前に瞑想をすると良いという方向でまとめるのも良し。
そうするとプレパフォーマンス・ルーティンとして瞑想をすると良いのかもしれない。
とにかく,組織における瞑想概念の明確化がまずは必要。

情動知能に関する研究。
共有経験の多さがEIを促進する?
そんなに簡単に共有なんてできるのか?
それは思い込みに過ぎないのでは?
そんな思い込みが真にEIを促進するのか?
むしろピュアに「私,あの人たちの心の動き分からない」って思える,そんな不全経験を積み重ね,「なぜ,私は分からないのだろう」ってことを深く考える経験をしてきた人の方が,真にEIを高めるのでは?
不全経験がEIを低下させるという先行研究への挑戦。
そんな研究へトライしてもらいたいものだ。


夏合宿初日の3年の部

まずはアメーバ経営システムとアジリティの関係を究明しようとしているグループ。
まずはアジリティ概念のしっかりとした定義が必要。
脅威に対する予防的な行動の迅速さのみなのか,脅威が実現した後の事後対応行動の迅速さを含むのか。
経営理念の浸透度がアジリティに直接影響与えるってセンもしっかり考えること。
その場合,ロジックを堅固に,証拠も充実させること。
もし浸透度とアジリティの間に何かをかませるとしても,仲間意識なんて日常的な用語を用いるのではなく,組織心理学上の概念を用いること!
組織の柔軟性という概念が分かりにくい。
アジリティとの違いが特に。
また指標の分かりやすさって概念が「分かりやすくない」。
何に対する分かりやすさなのか?
そして,それがどうしてアジリティに影響を及ぼすのか,そのロジックが不分明。

異動の効果を究明しようとしているグループ。
異動先に関する心理的契約対象のうち,異動者が特に重要と考えている要素(コア・ファクター;CF)に対する期待度が高ければ高いほど,モチベーションが促進される。
ただし,その関係が成立するのは,CFに対する期待値と現実値の間のズレが許容範囲内であると認知している程度が高い場合に限る。
CF以外の諸要素に対する期待値と現実値のズレがいくら大きくとも,ハロー効果が作動して,モチベに負の影響は及ぼさない。
こんな感じの仮説群になるかなぁ。

シニアの再雇用後のアダプタビリティを研究しているグループ。
4C(関心,好奇心,コントロール,自信)と,建設的なあきらめ(これもしっかりどういうものか調べること)や過去の延長線上からしっかりと理想自己イメージを構築で来ている程度などとの関係をじっくり考えること!

さぁ,以上の受けて,晩は2回目の発表!

これからゼミ合宿

学部長になってからも,三泊四日の春と夏のゼミ合宿は欠かさない。
忙しさから,合宿を途中抜けして,都心に戻らなければならないことなどもあったが…
渡辺ゼミにとって,合宿はとても大事な行事。
大切にしていきたい。
…が,なぜか昨日,軽いぎっくり腰に…
愛車のビートルの車高が低くて,入る時にピキッってくることがたまにあるんだよね。
疲労がたまっていたのかなぁ。
とにかく,これから山梨へ。
ゼミ室が日本間じゃなければいいなぁ。
そうじゃなきゃ,相当大変。
でも,ビシッといこー,ビシッと。

2019年8月28日水曜日

研究ということ

本日,学会賞を頂戴した。
2004年に日本原価計算研究学会の学会賞(論文賞)を頂戴してから,15年ぶりに。
今度は日本管理会計学会の学会賞(論文賞)を。
2年前に,行政職に就き,思うように研究ができなくなった。
それまでは…研究に全身全霊を傾けつつも,それを辛いと思うことの方が多かったような気がする。
行政職に就き,研究に時間が割けなくなり,しかし発明したことがある。
できなくなって,はじめて気づくことって,やっぱり,ある。
私のとってのそれは…
私は研究が大好きだってこと。
これである。
だから…
今回の論文では,その想いを徹底的にぶつけた。
結果として学会賞を頂戴できたことは,そりゃ嬉しいが,しかし,その想いの発露としての論文作成の場を,とにもかくにも,この間に創れたこと,そしてその瞬間瞬間を楽しめたことの方が,はるかに嬉しい。
この職にあっても,最低でも年に1編は必ず論文を書く。
次の論文…楽しみだなぁ。