仕事を休み、午前は家内と買い物に行き、午後は静かに読書をして過ごしている。
久しぶりに小説を読んだ。
第170回直木賞受賞作の万城目学(まきめまなぶ)の『八月の御所グラウンド』。
八月のちょうど今頃の猛暑の京都で、ただ漫然と夏休みを過ごしていた大学生が、ひょんなことから早朝に野球を数日に渡って行うことになり、そこで現世にはいない人たちと一緒にプレーするという不思議な体験をしたという内容。
昨日、大学に偶然行くことになった。
家内の実家に行き、姪っ子の赤ちゃんをだっこするつもりだったが、家内が実家の食事の準備のために、電車で先発することになり、後から合流することになった私は手持ち無沙汰のために、まぁお盆休みにも絶えず到着する学生からのメール対応でもするかってんで、行く予定のなかった大学へたまたま行くことになったというわけ。
そろそろ大学を出て、家内の実家に向かおうかって時に、ふとまだ成績評価が終わっていない学生のレポートをプリントアウトしようと思い、プリンターの電源を付けた。
何枚か印刷した段階で、プリンターが止まり、紙がなくなったとの注意音をなる。
給紙しようと、プリンターの前に無造作に置かれ、邪魔になっていた本の山を担ぎどかそうとしたところ、あまりに高く積みすぎていたせいで、上の何冊かが崩れ落ちた。
舌打ちして拾い上げているときに、ふとその一冊の中に『八月の…』があることに気づいた。
あぁ明日は自宅でゆっくりするつもりだから、これを読もうと思い、カバンの中に放り込んだ。
そして、今日、そう終戦記念日に、『八月の…』を読了した。
第二次世界大戦で戦死し、すでに現世にいない、昭和の大投手、学徒出陣した大学生、そして物語のキーとなる人物のお兄さん…
いずれも早朝に野球をするために、どこからともなく現れる。
きっと、野球をしたかったんだろうな、と主人公がつぶやく。
さらに物語の最後のちょうど終戦記念日に、現世にいる登場人物同士が問い合う。
『なお、俺たち、ちゃんと生きてるか?』
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