渡辺ゼミのゼミ生は,研究レベルも客観的な評価として高く,社会における諸現象を概念化し,概念間の関係性をしっかりと言語で説明できる能力は,それなりに長けていると思う。
しかし…
3年生も4年生もまだまだ…
措定した概念をしっかりと理解し,そのうえで他の概念との関係性をロジカルに検討するということは,何度も検証しているので「理解している」気になってはいる。
ところが,そこに実践における熟練者の現象に対する言語的な全般的な説明があるとすると…
途端に混乱してくる。
例えていうと…ピッチャーが球を投げれば,キャッチャーのミットで受けとめられる,という現象は理解できている,その因果の関係は理解できている…がしかし,時に牽制で一塁手,二塁手,三塁手に投げることも必要だとか,時にはボールに土がついていたりして審判に投げ返すこともあるだとか,そういった様々な多様な現象に接すると…ホームベースに向かって腕を振り上げてボールをミットめがけて強く振る,という現象理解に混乱が生じる。
無理くり,そういった多様な現象を直線的に解釈しようとする。
それを回避するためには,具体と抽象を往還し,因果の関係の言語化を洗練していくしかない。
この洗練化のプロセスは,何も研究者にのみ必要なことではない。
実際に,日本企業でも近年は博士号取得者の採用が進んでいる。
必ずしもその専門領域が合致する企業あるいは職務に従事するわけではないようだ。
博士号の取得プロセスで培った能力,その有用性を日本企業も理解しつつあるようだ。
ますます渡辺ゼミの卒業生の活躍の場が広がるということだ。
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