2015年2月28日土曜日

少し考えた

先日の企業の方との懇親会の時に,同行した学生から問われた質問について,その後,改めて考えみた。
その質問とは,別に業績にもならないのに,どうしてそんなにゼミとかの教育に力を入れるのですか,というものであった。
大学の教員は,基本的に研究者であり,その研究業績によって対内的にも対外的にも評価されることになる。
別に教育に熱心に取り組んでも,評価上,何のメリットもないわけだ。
その時は,教育が好きだからだろうなぁ,と答えたが,その後もやもやした気持ちで,自分としてもその答えにすっきりしていなかった。
合宿を通じて,何となく分ったような気がする。
いや,本当は分っていたんだろうが,普段は意識下に現れず,潜在していたところ,合宿をきっかけにして表に出てきた,という感じかな。

合宿での11期生の動きを見て,1年前の彼ら彼女らからの成長ぶりを肌で感じた。
おそらくお客様感が抜けない12期生の動きと,昨年の11期生のそれとはほとんど同じであったろう。
それが,どうだ。
ゼミ中においても・・・
積極的に発言し,シーンとする間もなく,議論を活性化させていた。
声が小さいとか,態度に問題があった場合には,私が指摘する前に,即座に注意していた。
研究発表の仕方は,1年間のプレゼン経験から,明らかに12期生とは段違いであった。
ごくごく基本の行動パターンについても・・・
宿のスリッパについては,脱いだ際には,しっかり並べる。
挨拶はしっかりする。
大浴場の洗い場は,使用後はきれいにする。
朝食の際は,どんなに遅くまで起きていようと,しっかりと8時には全員集合して,いただきますを言う。
完璧だった。
また,テニスの際には,試合の時以外は,仲間との会話や試合観戦を楽しみつつも,玉拾いを自らもしっかり行い,さらには12期生にそれをするようにそっと促していた。
読書会やコンパの会場設営,ゼミ室の設定など,すべて率先して後輩をリードしていた。

そんな成長ぶりを見つめ,震えるほど嬉しかった。
ゼミをしていると,そんなことが年に何回かある。
この喜びは,それがなければ,生きている価値がないと思えるくらい・・・素晴らしい。
だから,膨大な時間を学生諸君とともに過ごすことができる。
もはや,それがなければ,私は私でなくなる。
初日の晩,11期生諸君の前で,ちょっと弱気になったよね。
でも,本当は,心のなかで,そんなことできっこないって分っていた。
これからも私は私であり続けるし,渡辺ゼミも渡辺ゼミであり続ける。

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