4年のゼミは、最近、就活の状況を最初に確認することにしている。
ぼつぼつ内定をゲットするものが増えてきたし、緊急事態宣言が明け、今まで止まっていた、あるいは停滞していた面接の連絡もどんどん増えてきたようだ。
第二波が来て、また緊急事態宣言が発令ってなる前に、皆から良い報告を聞きたいものだ。
で、今日はタバッチの卒論報告。
アメーバ経営が働きがいを高めているのではというのが研究課題。
なかなか良くまとめられていて、この時点での発表としてはGood!!
ただ、働きがいをもっと深掘りした方がいいので、「働きがいとあきらめ」という論文を紹介した。
「かい」とはどんな時に感じるのであろうか?
次のような例を通じて考えてみると、分かりやすいだろう。
山登りの達人が高尾山と八ヶ岳にそれぞれ登り、それぞれ山頂に到達したとして、どちらに登りがいを感じるだろうか?
同じ登頂という結果でも、達成感というリターンは後者の方が大きいだろうし、登頂に費やしたコスト(努力、犠牲)も後者の方が大きいだろう。
もし八ヶ岳の登頂によって得られたリターンとそのために費やされたコストが釣り合っていると認識できた場合、おそらく登りがいは感じられる。
もし、コストの方がリターンよりずっと大きいと認識された場合や、逆にリターンに対してコストが小さすぎると認識された場合は、登りがいは感じられない。
大事なことはリターンとコストが釣り合っていると認識されること。
ただ、注意しなければならないのは、リターンとコストが釣り合っているのだけど、登山のベテランの高尾山登頂の場合のように、両方とも小さすぎた場合は、登りがいはあまり感じられないということ。
以上を要するに、何かに「かい」を感じるためには、その何かを遂行するにあたって、一定の大きさのコストを自ら負担しても良いという覚悟ができているってことが大事。
ある企業にジョインしてもらったとして、そこでの仕事に対してまずはコストをかけても良いと思ってもらわなければ、働きがいはそもそもその企業において感じてもらうことはできないわけだ。
では、どのような企業であれば、社員は一定の大きさのコストを振り向けてくれるのだろうか?
この企業ならコストを傾注しても良いと思ってもらえるのだろうか?
例えば、その企業の経営者に対する信頼感が高い場合、その企業の社員さん達が皆良い人ばかりで凝集性が高い場合、その企業の理念に共鳴している場合、等々、色々あるだろう。
とにかく、コスト負担を社員に覚悟してもらうためにはどうしたらよいかを、経営者や経営管理者はしっかり考え、前提条件を整える必要がある。
さて、多くの社員にコスト負担を覚悟してもらえたとして、次のステップはそのコストに見合うリターンを、組織的に準備すること。
どのようなリターンを用意すればよいのか?
まず考えなければいけないのは、人はなんのために働くのかということ。
基本的に5つある。
カネやモノを得るため。
人から承認や尊敬を得るため。
人と良い関係を構築するため。
理念を実現するため。
面白いことをしたいため。
それらの欲求を大概の人はどれも持っているけれども、人によってそれぞれの欲求の大きさに濃淡はある。
カネはあまり欲しがらないが、人からの承認は凄く求める人もいれば、人と良い関係性が重要で、それを悪化させるくらいならカネなんてあまりいらないという人もいる。
もし社員全体に一定の欲求の傾向性を見出すことができるのなら(いや、そもそもその組織が望ましいと考える欲求傾向を有する人を採用することができれば、おのずと社員全体にその傾向性は見出せるはず)、その欲求を刺激するインセンティブシステムを構築すれば良い。
一定のコストを傾注してくれて目標達成をしてくれたら、そのインセンティブがゲットできて、それがそのコストに見合う程度のリターンとして認識される可能性が高くなる。
以上、大事なことは社員がコスト負担をしても良いという組織環境づくり、および自社の社員の欲求体系を適切に捉えたインセンティブシステムを構築すること。
さて、アメーバ経営をどう関連づける?
よーく考えよう。
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