2019年9月23日月曜日

私にとっての研究

研究は社会の発展のために行われるべきだ。
それは当然のこと。
それは前提の上で,私は私が自ら選んだ研究テーマに取り組む。
換言すれば,やりたくない研究はしない。
それから締切を意識することも嫌いだ。
論文を執筆する場合は,締切日のはるか以前から計画的に取り組み,締切直前になってから,焦って執筆することがないように,いつもしている。
締切を守ることが目的化して,本来の目的がどこかにいってしまうことを恐れる。
私は自分の弱さを良く知っている。
締切日のできれば一ヵ月前には完成させ「寝かせる」。
完成させた後,一定期間その論文から離れることを「寝かせる」と言っている。
2日間ほど間を置いてから改めて読み直してみると,粗が見つかったり,別の視点に気づいたりする。
それを何度も繰り返す。
そのプロセスは実に楽しいもんだ。
自分の論文が成長していくのが,目に見えて分かるからだ。

できればゼミ生もそのように研究してほしいと思っている。
研究というのは,実に楽しいものだし,それを実際に体感してもらいたい。
だから締切が定まっている研究は,本当はあまりしてほしいとは思わない。
いや締切があってもいい。
でも,ならば,しっかりとした計画を立てたうえで,それをしっかりと遵守できるように取り組んでもらいたい。
もしそのように進捗させてくることができなかったのなら…
そして,それでもどうしても締切を守りたいと切望するのなら…
限られた時間のなかで,何をすべきなのか,しっかりと見据えたうえで,「その範囲内でできる水準の研究内容」で納得してもらうしかない。
誤解してもらいたくないのは,その水準の研究であっても,論理的に矛盾しないようにロジックを組み立てていき,一定のまとまりのある研究を創りあげていくことは,それなりに大変であり,決して簡単なことではないということ。
私からのフィードバックをベースにして皆で行った議論を通じて得られた理解やロジックを,しっかりと一つひとつブロックのように積み上げ,完成を目指さなければならない。
このことをよく理解してほしい。

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