近年、ゼミに入っても、卒論を書かない学生が増えている。
そもそもゼミに入る学生数が減少しているし、就職の内定が決まると4年生になる前に、つまり卒業研究をする前に、ゼミを辞めてしまう学生も増えている。
卒業論文を書かなくて良いとシラバスに書くと、応募者数が増えるという現象も。
しかし、それで良いのであろうか?
卒業論文を執筆するというのは、大学生にとっても最も大事な集大成と言えるもの。
それを完成させるプロセスで、実に様々な知的スキル、思考形式、文章読解力、文章作成力等々を身に着けることができる。
近年、博士課程を修了し、博士号を取得者を、企業がこぞって採用し始めている。
かつてはごくごく狭い研究対象領域のことしか知らない、融通の利かない、使い勝手の悪い人材との評価が中心であったが…
いまや、課題を発見し、その課題解決につながる蓋然性の高い仮説を立案し、そしてその仮説を科学的な方法で検証することができる能力が高く評価されている。
博士号を取得した研究分野とは全く異なる領域の企業に就職する人も増えているのは、そういった能力の高さが評価されてのこと。
さて、卒業論文のことである。
博士号とまではいかないが、卒業論文をしっかりと書き上げた学士号取得者は、やはりこれからますます不確実性が高くなる企業環境の中で、非常に有為な人材として評価されるべきである。
渡辺ゼミの4年生は、この年の瀬において、卒業論文のために尽力しているだろう。
彼ら彼女らは、今徹底的に概念と概念の因果の関係について考えているし、論文の問題意識の部分を執筆しているであろう。
この経験によって身につくであろうものが、彼ら彼女らを強くする。
人間として、企業人として。
渡辺ゼミでは、絶対に卒業論文を書いて卒業していく。
本年度も、そして今後もずっと。
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