30時間ほどのマラソンゼミができないということで,今年は夏ゼミを例年より多く実施することになった。
まずはタカキのキャリアリフレクション(CR)の研究。
CRとは,自分のこれまでの仕事ぶりやキャリアを捉え直すことで生じる,職務やキャリアに対する考え方の変化のことを言う(永野・藤,2016)。
信頼感のある人,しかも強い紐帯の人ではなく,弱い紐帯(普段の生活圏を異にしている接触頻度の低い相手の人)を周囲にたくさん持っている人ほど,CRは起こりやすいと考える。
信頼感は能力があり,誠実であり,慈善性のある人に対して抱くものなので,社会人になってもできるだけ行動範囲を広げ,そういう人に出会う確率をあげれば,CRは起こりやすいと考えるわけね。
二番目はノスケの効果的なフィードバックに関する研究。
上司による部下が現状を把握し,向き合うことの支援や振り返りとアクションプランづくりの支援をフィードバックと捉えるわけだけれども,大事なことは部下がそれをしっかりと「支援」と認知すること。
その認知に影響を与える要因は,おそらく部下のパーソナリティだけではないはず。
三番目はタバッチのアメーバ経営に関する研究。
アメーバ経営導入企業では,評価的インセンティブ,自己実現的インセンティブ,理念的インセンティブを高く求める人は,働きがいを高く感じており,物質的インセンティブを高く求める人は働きがいを感じられていない,とする。
また,アメーバ経営を導入し,比較的長期に渡りそれを実施し続けている企業では,評価的インセンティブ,自己実現的インセンティブ,理念的インセンティブを高く求める人が多い,とする。
概ねOK。
ほぼ仮説立案が完成!
この時期に完成というのは,早いね。
ただ,例えば評価的インセンティブが供給され続けていれば,高い評価が得られないことがあるとしても,得られることもあるだろうから,得られたとしたら欲求が充足されるので,満足感が高まるであろう。
ただ「働きがい」は,満足感が高まるだけでは得られない。
一定のコストが傾注されなければ得られない。
だから,「各種インセンティブを高く求める人は,働きがいを高く感じる」とするのなら,もう少しロジックを考えなければならないだろう。
四番目はジェイの上方影響力に関する研究。
上方影響力というのは,ミドルが上司に対して有する発言力の大きさや上司との関係における自律性の程度のことを(金井,1991)を指す。
ただ,これを勝手に上司の耳に痛いことを部下が言える程度って意味に置き換えて,先行要因とかを考えてしまっているので,「発言力が大きい」ということの意味をよく考えることが必要。
ただ,この発言力の大きさというものには,諸々泥臭い要因が影響していると思われるので,かなり難しい課題が多いので,よーく考えた方がいいかも。
五番目はリョウの新卒採用に関する研究。
オンライン就活が主流の中で,就活が上手くいった人の特性を調べる研究。
コンピテンシーやセルフモニタリングが影響しているのでは,と捉える。
ただし,「上手くいった」というのをどのように捉えるのかというのは,かなり難しい問題なので,よーくそこを考えなければならない。
たんに内定先が多いだけではダメだろうね。
六番目はアカリの在宅勤務における自己調整学習の研究。
自己調整学習の中の学習方略(努力調整・プランニング方略・モニタリング方略・認知的方略)について,在宅勤務でどのような工夫をしているが,高い成果をあげているのか,仮説発見型の研究を行う。
今日は質問項目のチェック。
通常の学習方略の質問項目を在宅勤務方略に換えるのに,もっと工夫が必要だね。
七番目はシンの臨場感に関する研究。
臨場感というのは,場がリアルではなくてバーチャルであるというのは前提。
そのうえで,その内容(例えば教育の仕方やUSJのジョーズ)がリアルに近ければ近いほど,臨場感が高まる。
その内容が完全にリアルだと,もうそれはバーチャルではなくリアルなので,臨場感という概念自体が成立しなくなる。
さぁ理解は深まってきたけれども,これをどう料理していくかが今後大事になるね。
0 件のコメント:
コメントを投稿