2019年9月29日日曜日

2002年の渡辺ゼミ

この年に入ゼミしてきた連中は渡辺ゼミ3期生。
当初,中国,台湾,韓国からの留学生がおり,最も渡辺ゼミの期のなかでも国際性が豊かだった。
韓国の留学生は,年齢の関係で国家公務員の試験を受験できなくなってしまう日が近づいているということで,3年生でゼミを辞めてしまったが…
その後,公務員にはならずにロッテ系の企業に勤めたが,研究室に2度ほど遊びに来てくれて,そのたびにおっきい壺に入った蜂蜜をお土産に持ってきてくれた。
昨年の夏合宿には,焼酎のボトルを4ダースくらい送ってくれた…が,そんなに飲めんよ(苦笑)。
今でもまだ,その時の焼酎は残っており,我が家にある。
うちでBBQをする際には,活躍している。

ゼミ長は,私のゼミに入っていなければおそらく絶対に選ばなかったであろうキャリアを歩んでいる。
京セラ系のコンサルティング会社で,アメーバ経営システムを販売している。
律儀な男で,ゼミ合宿にはほとんど毎回参加してくれる。
そして,いつも朝まで学生たちと語り合ってくれている。
卒業後,二人っきりでも何度もあっており,たぶんOBOGのなかでも最多だと思う。

変わった奴の紹介をもう一人。
学生時代,公認会計士の受験勉強をしていたが…
なんせ競馬が好きすぎて,勉強に身が入らない。
地頭はピカ一。
頭はそりゃ良かった。
そして…正直なやつだった。
合宿の帰りに告白した。
「先生,実はゼミ合宿をさぼろうと思っていました。私の持ち馬(もちろん1頭の数百分の一相当分だが)の初出走の日が,合宿の日程と重なっていたのです」と。
ま,結局合宿にフルに参加したのだが,渡辺ゼミの合宿をさぼるか悩むほど,競馬が好きだったということ。
そもそも,お前何で会計士になりたいんだって聞いたら,馬主になるためですって答えていたくらい(いまだにその因果関係は不明だが…)。
そんな奴も4年で合格できなった時には,流石に焦った模様。
卒業前に研究室に来て,こう言った。
「卒業後は,気合を入れて受験勉強をします。絶対に今年合格するために,好きなチョコを絶ちます」と。
本人は,まったく真剣なわけだが…
こっちは思わず吹き出してしまった。
こいつが合宿係になると,夜のコンパ用のおつまみがチョコだらけになり,私なんか食べる物がなくて,そりゃ困ったもんだ。
チョコ絶ちが効いたのか,卒業した年に試験に合格し,いまや監査法人でも若手を引き連れて,リーダーとして活躍している。
こいつもゼミ合宿に来てくれたり,ビジチャレの試合を部下を引き連れて何回も見に来てくれている。
まだ,独身。
嫁さん,見つけてやらなきゃなぁ。

2019年9月28日土曜日

2期の異端児

初期の渡辺ゼミを象徴するのが,前の記事で書いた2期のゼミ長だとすると…
こいつは別の意味で,渡辺ゼミを象徴する奴だった。

入ゼミの経緯もいい加減。
ゼミに入ってからもいい加減。
卒論を書かずにゼミを卒業した気になっているのも,こいつだけ。
OBになってからもゼミ合宿に参加しては泥酔しては,現役生に迷惑をかけてばかり。

そんな奴でも,忘れられん。
今では日本一のバーテンダーを目指して,銀座で修行してやがる。
いや…もう自分の店を持ったっけ?
そんな現役の頃はダメダメだった奴も,時々私を想いだしてくれる。
うん…ここ数年,連絡がないけど…
奴と一番直近で会ったのは…海洋大の最寄り駅のバーだったっけか…
あの時はなぜか同期の大学の先生になった2期生の女の子と一緒だったっけ。
いや…それは前すぎる…その後も会ったような…
うん…3,4年前にゼミ合宿に来てくれたかな…
いずれにしろ最近は会っていない。
でも…野郎は間違いなく,記憶に残るゼミ生だった。
な,鳥取!?

2001年の渡辺ゼミ

渡辺ゼミ2期生も変わった連中ばかりだったなぁ。
ゼミ長は元ヤンキー。
当時は中大に夜間部があり,奴も夜間部だった。
髪の毛は金髪でそれをスーパーサイヤ人みたいにおったてていて,デカい図体にドカジャンをはおり,いかにも現場から大学へ来ましたって恰好だった。
そんな格好の野郎が,一回も授業に休まずに出席してくるので,否が応でも目についた。
10月のある日,奴が授業終了後,教壇に向かって歩いてきた。
そして,予想通り,こういった。
「先生のゼミってどんなことするんですか?」

そして,奴は私のゼミに入った。
素晴らしいリーダーシップの持ち主であったため,自然な流れでゼミ長になった。
ある合宿での一コマ。
晩に酒を飲みながら,奴にふと聞いた。
一度も休むことなく毎回私の授業にしっかりと出席していたが,私の授業はそんなに楽しかったか,と。
奴は答えた。
先生の授業は楽しかったけれども,俺は先生の授業だけではなく,すべての授業において一度も欠席せずに出席している,と。
そして,続けてこう言った。
先生によってはクソつまらない授業もあったけれども,そんな先生でも年に1回ぐらいは「良いことを言うんですよ」と。
そして,聞いた。
君はそのあるかないか分からない機会に備えるために,授業に毎回出席していのか,と。
答えは分かりきっていたが,予想通り…「そうです」。
その時に,鳥肌が立ったのを今でもよーく覚えている。

大学生だったころの私は,自信をもって言えるが,大変不真面目であった。
大学の授業にまともに出席した記憶は…ほとんどない。
2期のゼミ長の話を聞き,鳥肌が立ち,その後に襲ってきたのは,痛烈な「後悔」であった。
私は多くの貴重な気づきの機会を,自ら放棄してしまった。
大学時代,周囲に流されずに,もっと大学の授業に前向きに取り組んでいれば,今の私はもっと…

そして,次に襲ってきたのは,痛烈な「恐怖」であった。
学生の中には,そんな学生もいる。
しかるに,現在の私はそんな学生に応えられるような授業を展開できているのか,と。
これが私の現在の授業改善の強力なエネルギーとなっている。

2期のゼミ長は,卒業後,就職氷河期のなか,倍率何百倍もの食品会社に就職した。
とんとん拍子に出世し,長く経営企画室に勤め,まだ30歳台だけれども望んで関連会社に出向し,そこで経営幹部をしている。
いずれ本体に戻り,もっと偉くなるだろう。
忙しいだろうに,良くゼミ合宿に顔を出してくれた。
今,関西にいるから,ここんとこ会えていないが。
学生からも学ぶことがたくさんある。
それを教えてくれた記憶に残る学生だった。

2019年9月27日金曜日

草創期から…飛ぶが

本当に嬉しいことが今日…あった。
その昔…5,6年前のゼミ生である9期生に困ったちゃんがいた。
3年生の夏合宿の時に,直前でゼミを逃亡した男。
本来,渡辺ゼミの夏合宿を無断で欠席したら,大ごとなのだが…
この男,本当に優しい男で,ゼミ生から愛されていた。
もちろん,私からも。
合宿から大学に戻るバスの中で…
一枚の紙が座席の間を静かに回る。
その男に対する手紙。
戻ってこいという皆の想いが詰まった手紙。
最期に私のところにその紙は回ってきた。
じっと大勢のゼミ生のその男に対する言葉を眺め,思わずこみあげてくるものがあり,こう一言書いた。
「許す」と。

その男はゼミに戻ってきた。
そして頑張った。
しかし…その男は今思うと晩成型で,その当時はまだまだ未熟だった。
4年生の冬のゼミの時,彼は号泣した。
俺にはこのゼミのレベルの卒業論文は書けない…と。
しかし…仲間は諦めなかった。
そして…私は諦めなかった。
結果として,彼も…諦めなかった。
そして,立派に卒業論文を書き上げ,オイコンで…別の意味で号泣して卒業していった。

この男。卒業してからも私に迷惑をかける。
学部生の頃も私の時間を多く奪っていったのに…
今でも30分でいいので会えませんか…とちょくちょく研究室にやってくる。
今日も…ちょうどゼミ募集の時期で,2年生がゼミ相談に来ているところ…その男はまたやってきた。
私が大好きな日本酒を2本も持参して…
そして,彼はこういった。
もう1回,大学に通いたいです。
来年…必ず夢をかなえます…と。
中央大学にはない…そんな学部のある大学に…
卒業して5年,随分と彼は成長した。
昔のちょっと(いや…たくさん)頼りなかった,彼はそこにはいなかった。
しっかりと自分なりのディシプリンを確立し,大きな夢に向かって力強く歩み,そして随分と論理的な思考能力も高まっていた。

その夢の実現を応援したい。
心から。
1時間弱話して,私はビジチャレの反省会に向かわなければならなかった。
ペデ上で彼と強く握手した。
そこで別れ,5号館に向かう2分の間,後ろを別方向に向かって歩く…彼を想った。
早朝起床し,仕事の前に2時間近く受験勉強し,会社からあがり,深夜にかけてまた数時間勉強する,そんな生活を毎日送っている彼を。
頑張れ,頑張れ,頑張れ,頑張れ,頑張れ…と。

2分後,5号館の前に立ち,まだ若き20歳前後の学生と立ち向かう。
ビジチャレの反省会についてはまた書く。
今日は…彼にもらった彼の実家の造り酒屋の酒を「少し」飲む。
今も闘っている彼を想い。

2019年9月24日火曜日

渡辺ゼミ草創期の想い出に残る学生について

私が中央大学で初めてゼミを担当したのは、今から19年前の2000年。
4月募集ということもあり、応募者は4名で、その全員を合格させた。
人数が少ないので、研究室で毎週ゼミをした。
それが渡辺ゼミ1期生。
途中で1名辞めてしまったが、残りの3名とは、今でもつながりがあり、うち2名とは少なくとも年に1回は会っている。
1名は理科大を卒業して商学部に3年次編入してきた変わり種で、今や40歳半ばになり、自分で会社を手広く経営していて、都心のど真ん中でリッチな暮らしをしている。
もう一人も東北学院大の法学部を卒業後、商学部に編入学してきた組。
本が好きな奴で、読書会をすると、彼の発言には自然と皆耳を傾けていたっけ。
今は国家公務員としてバリバリ働いている。
最後の一人は大人しい奴だったが、芯はしっかりしており、今は会計士として偉くなっている。
想い出に残る期だなぁ。

営業学入門第1回目!

初回の講師は営業本部長兼執行役員の秋目哲郎先生。
第1回目はオリエンテーションとして,営業という仕事とは?を解説してもらいます。
さて,早速,講義に入りましょう…
文系の大卒の70%が新卒で営業職に配属される。
営業には負のイメージがついて回る…ノルマがきつい,体力勝負,頭を下げて買ってもらう,口下手には向かない,等々。
しかし…営業は科学できる!営業は心理学である!
例えば…電話アポイントメント
①自分の名前と社名を明らかにする。
②好感を持ってもらう。
 例えば,「今少々お時間をよろしいでしょうか?」と一言。
③電話した目的を言う。
 ここにもコツがある。
 第三者の影響力を使うとか,決定は見込み客に任せるとか…
④面談のアポイントを確認する。
 相手に委ねてはダメ。
 選択肢一つもダメ。
 二者択一を使う。
⑤反対を処理する。
 Yes-But法とか,ブーメラン法。
⑥アポイントを確認する。
⑦感謝の意を表す。

人の基本的欲求と基本的弱さを理解することが大事。
弱さとは…物事を先にのばす,一番抵抗の少ない道を選ぶ,責任を回避し現実に直面しようとしない,お金を貯めようとする意志力に欠ける,先行きを心配する。

顧客の立場に立つという姿勢も大事。
購入過程における心理を理解することも大事。
嫌悪・否定・無関心の人にいかに関心を持ってもらうかが大事。
関心を持つと,今持っていない商品であれば,持っていないことは不安になり,持っている商品であればそれが古くなっていることに不安になる。
そして持っていないことや古くなっていることに不満を感じるようになり,その不満が持ちたいであるとか新しいのが欲しいといった欲求を産むことになる。
欲求はやがて複数の商品を比較することにつながり,やがて決心し,購入に至る。
トップセールスマンは,否定や無関心から,その後のプロセスに引き上げてくるそうだ。
普通のセールスマンは「関心」から。

心には癖がある。
同じ現象を見ても人によって異なる見方をしてしまう。
靴屋がアフリカに行った。
Aという男はこう言った。
「誰も靴を履いていない。売れるわけない。」
Bという男はこう言った。
「誰も靴を履いていない。これはたくさん売れるはずだ!」

プルで共有されている言葉。
「論理を用いて感情に訴える。」

さぁ来週からは世界最高峰のメジャーリーガー級の方々の講義が始まります!

2019年9月23日月曜日

私にとっての研究

研究は社会の発展のために行われるべきだ。
それは当然のこと。
それは前提の上で,私は私が自ら選んだ研究テーマに取り組む。
換言すれば,やりたくない研究はしない。
それから締切を意識することも嫌いだ。
論文を執筆する場合は,締切日のはるか以前から計画的に取り組み,締切直前になってから,焦って執筆することがないように,いつもしている。
締切を守ることが目的化して,本来の目的がどこかにいってしまうことを恐れる。
私は自分の弱さを良く知っている。
締切日のできれば一ヵ月前には完成させ「寝かせる」。
完成させた後,一定期間その論文から離れることを「寝かせる」と言っている。
2日間ほど間を置いてから改めて読み直してみると,粗が見つかったり,別の視点に気づいたりする。
それを何度も繰り返す。
そのプロセスは実に楽しいもんだ。
自分の論文が成長していくのが,目に見えて分かるからだ。

できればゼミ生もそのように研究してほしいと思っている。
研究というのは,実に楽しいものだし,それを実際に体感してもらいたい。
だから締切が定まっている研究は,本当はあまりしてほしいとは思わない。
いや締切があってもいい。
でも,ならば,しっかりとした計画を立てたうえで,それをしっかりと遵守できるように取り組んでもらいたい。
もしそのように進捗させてくることができなかったのなら…
そして,それでもどうしても締切を守りたいと切望するのなら…
限られた時間のなかで,何をすべきなのか,しっかりと見据えたうえで,「その範囲内でできる水準の研究内容」で納得してもらうしかない。
誤解してもらいたくないのは,その水準の研究であっても,論理的に矛盾しないようにロジックを組み立てていき,一定のまとまりのある研究を創りあげていくことは,それなりに大変であり,決して簡単なことではないということ。
私からのフィードバックをベースにして皆で行った議論を通じて得られた理解やロジックを,しっかりと一つひとつブロックのように積み上げ,完成を目指さなければならない。
このことをよく理解してほしい。