2019年9月27日金曜日

草創期から…飛ぶが

本当に嬉しいことが今日…あった。
その昔…5,6年前のゼミ生である9期生に困ったちゃんがいた。
3年生の夏合宿の時に,直前でゼミを逃亡した男。
本来,渡辺ゼミの夏合宿を無断で欠席したら,大ごとなのだが…
この男,本当に優しい男で,ゼミ生から愛されていた。
もちろん,私からも。
合宿から大学に戻るバスの中で…
一枚の紙が座席の間を静かに回る。
その男に対する手紙。
戻ってこいという皆の想いが詰まった手紙。
最期に私のところにその紙は回ってきた。
じっと大勢のゼミ生のその男に対する言葉を眺め,思わずこみあげてくるものがあり,こう一言書いた。
「許す」と。

その男はゼミに戻ってきた。
そして頑張った。
しかし…その男は今思うと晩成型で,その当時はまだまだ未熟だった。
4年生の冬のゼミの時,彼は号泣した。
俺にはこのゼミのレベルの卒業論文は書けない…と。
しかし…仲間は諦めなかった。
そして…私は諦めなかった。
結果として,彼も…諦めなかった。
そして,立派に卒業論文を書き上げ,オイコンで…別の意味で号泣して卒業していった。

この男。卒業してからも私に迷惑をかける。
学部生の頃も私の時間を多く奪っていったのに…
今でも30分でいいので会えませんか…とちょくちょく研究室にやってくる。
今日も…ちょうどゼミ募集の時期で,2年生がゼミ相談に来ているところ…その男はまたやってきた。
私が大好きな日本酒を2本も持参して…
そして,彼はこういった。
もう1回,大学に通いたいです。
来年…必ず夢をかなえます…と。
中央大学にはない…そんな学部のある大学に…
卒業して5年,随分と彼は成長した。
昔のちょっと(いや…たくさん)頼りなかった,彼はそこにはいなかった。
しっかりと自分なりのディシプリンを確立し,大きな夢に向かって力強く歩み,そして随分と論理的な思考能力も高まっていた。

その夢の実現を応援したい。
心から。
1時間弱話して,私はビジチャレの反省会に向かわなければならなかった。
ペデ上で彼と強く握手した。
そこで別れ,5号館に向かう2分の間,後ろを別方向に向かって歩く…彼を想った。
早朝起床し,仕事の前に2時間近く受験勉強し,会社からあがり,深夜にかけてまた数時間勉強する,そんな生活を毎日送っている彼を。
頑張れ,頑張れ,頑張れ,頑張れ,頑張れ…と。

2分後,5号館の前に立ち,まだ若き20歳前後の学生と立ち向かう。
ビジチャレの反省会についてはまた書く。
今日は…彼にもらった彼の実家の造り酒屋の酒を「少し」飲む。
今も闘っている彼を想い。

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