おおよそ企業が,従業員の行動を望ましい方向に導くために用いるレバーは,次の4つに絞られる。
目標設定や実績の測定を通じて,従業員にルーティンワークの強化を促す。
緊張関係を人為的に作り出し,従業員に現状打破をはからせる。
境界を作り,すべき仕事の強化を促し,すべきではない仕事はさせない。
そして,最後に経営理念を浸透させ,無意識のうちに,自社にとって正しい仕事に尽力させ,正しくない仕事には従事させない。
特に,最後の理念を使ったコントロールがうまくいっていると,その会社は強い,とされる。
宗教団体が一糸乱れずに行動できるのは,教祖の「理念」が信者に浸透しているからだろう。
いってみれば宗教団体では,完璧な理念的なコントロールがなされているといってよい。
企業においても,この理念を使ったコントロールがうまくいっている場合,その社長はカリスマ性を帯び,宗教色を帯びているようにも見える。
最近,島田裕己の『7大企業を動かす宗教哲学』を読んだ。
現パナソニックの経営理念の核心にも,密教や神道の教えが位置づけられているという。
松下幸之助翁は,実に多くの宗教家と付き合いがあったらしい。
なるほど,と思った。
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