今日の午前中,中央大学附属高等学校に行き,2年生の学部選択に資することができるように,スポーツ情報学部のことをしゃべってきた。
朝早く起き,8時前には研究室に到着し,しゃべることを整理している時に,ふとフェデラーの言葉を想いだした。
ダートマス大学の卒業式での祝辞。
https://www.youtube.com/watch?v=pqWUuYTcG-o
私は特に,以下の部分が好きだ(途中,省略している部分もある)。
①才能は大事です。
でも才能には幅広い意味があります。
たいていの場合、問題なのは天与の才能ではなく、ガッツがあるかです。
テニスでは、ラケットをとんでもない速度で振りぬいて素晴らしいフォアハンドを打てば、それは才能と呼ばれうるでしょう。
しかしテニスでは…実人生と同じように…克己心もまた才能なのです。
そして忍耐も。
自分を信じるのは才能です。
過程を受け止め、愛するのは才能です。
自分の人生を管理し、自分をコントロールする…それもまた才能たりうるのです。
生まれつきそうした才能に恵まれる人もいますが、どんなひともそれに取り組まないとなりません。
②テニスにおいて完璧はありえません…
僕はキャリアで、シングルス1526試合をプレーして勝率は80%近いですが…いま皆さんに問題です。
これらの試合で僕がとったポイントの割合は?
たった54%です。
言い換えれば、トップ選手ですら、プレーしたポイントのせいぜい半分ちょいくらいしか取れないのです。
平均で2ポイントに1ポイントは落とすのですから、すべてのショットに耽溺はしないようになります。
こう考えるようになります。
いいさ、僕はダブルフォルトした。
ただ1ポイントのことだ。
いいさ、ネットに出てまたパッシングショットで抜かれた。
ただ1ポイントのことだ。
素晴らしいショットですら、ESPNでベスト10ショットに選ばれるようなバックハンドのスマッシュですら、それも、ただの1ポイントです。
ここに、僕が「ただの1ポイントだ」と言う理由があります。
ポイントはプレーしているとき、それが世界でいちばん大事なことです。
けれどそれが終わってみれば、終わったことです…こういうマインドが肝心なのです、そのおかげで次のポイントに全力で集中できる。
そしてさらにその次と…インテンシティを保ち、明晰な心で、集中して。
人生でどんな試合でプレーしようと…ときには負ける、それが真実です。
1つのポイント、1つの試合、1つのシーズン、1つの仕事…アップダウンの激しいローラーコースターです。
そして落ち込んでいるときには自分の力を疑い、自分を憐れむのも当然です。
そして一方で、対戦相手のほうも自分を疑っている。
そのことを決して忘れないように。
けれどネガティヴなエネルギーというのは無駄に消費される。
苦しい時間を乗り越える達人になりたいと思うでしょう。
それは僕にとってはチャンピオンの証です。
最高の選手は、すべてのポイントをとるから最高なのではありません…そうではなく、彼らが自分が繰り返し何度も負けると知り、それにどう対応すべきかを学んできたからです。
受け入れなさい。
必要であれば泣くのもいい…それから無理にでも笑顔を作る。
前に進みなさい。
容赦なく。
状況に適応して、成長して。
さらなるハードワークを。
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