一昨年の渡辺ゼミの応募者は過去最多の40名程度。
そこで残念ながら渡辺ゼミには縁がなかった学生だけど,ドイツ研修に一緒に行ったこともあり,その後も何かと連絡を取り合っている学生がいる。
将来,スペインのサッカークラブで働くことが夢。
そんな学生に,私はスペインリーグ4部のサッカークラブのオーナーを紹介し,スタッフとして働く可能性を提示した。
が,彼はすでに日本の大手企業に内定を持っている。
スペイン行については親が反対しているという。
親の気持ちも分かる。
私も3人の子供を,曲がりなりにも社会に送り出してきた。
だから,反対する気持ちは痛いほど分かる。
さて,今から35年前。
1年浪人して大学院に合格し入学までの間に時間があったので,2カ月ほどアフリカを一人で旅した。
当時,ちょうど湾岸戦争の真っ最中で,親には反対されたが,どうしてもアフリカに行きたかった。
私はかつて動物王国の畑正憲氏を尊敬していて,獣医になるのが夢の時期があったくらい,動物が大好きで。
アフリカの動物ものの小説やノンフィクションものを沢山読んでいた。
なので,どうしても行きたかった。
ケニアをふらふらしている時に,サファリのツアーで行った先のコテージで,プロ並みの撮影機材を持っている爺さんと出会い,色々と話をした。
意気投合して,これからザイール(今のコンゴ)にマウンテンゴリラを撮影しに行くから,そのアシスタントとして一緒に来てくれと誘われた。
当時のザイールは反政府勢力の軍事勢力の活動が活発で非常に危険な国であり,パーミッションを得ることは困難であったが,それを私の分まで入手してくれるという。
流石に不安に思い,ケニアの日本大使館に相談したところ,今のザイールだと邦人が危険な目に遭遇しても救出活動はできないかもしれない,やめとけと説得された。
で,結局断った。
帰国後数か月してから,その爺さんから封書が送られてきて開けてみると,マウンテンゴリラの写真が数葉入っており,無事帰国したとのこと。
悔しかったなぁ。
あの時,ザイールに行っていたら,私の人生はまた違ったものになっていたかもしれない。
そう思うと,その先に歩んでいたかもしれない人生を痛烈に垣間見たいという想いにかられる。
今の人生を誇りに想ってはいる。
しかし…人生にもしが許されるのなら,とも思う。
それ以降,人生の岐路において,厳しい方の道を選んできたつもり。
ゼミ生の中には今,進路に悩んでいる人もいるかもしれない。
どの会社を選ぼうか…とか。
きっと君らなら,チャレンジングな方を選ぶだろう。
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