今日の夕方、ゼミの募集に関わり、だいたい20人目ぐらいかなぁ、数名の2年生の研究室訪問があった。
その際、その2年生の一人になぜそんなにゼミ生に熱心に指導をするのか、理由は何なんですか、と問われた。
それで想いだした。
初対面の学生に正直恥ずかしかったが、冒頭に正直に話すと言明したので、正直に今日来てくれた4名の2年生には話をした。
私の父は、あまり子供と相対して語る人ではなかった。
直接、私に話をしないのに、PTAの会長なんかを勝手に引き受けて、卒業式とかの祭事で壇上からワンノブゼムの息子に語りかけるような、そんな男だった。
その代わり、私の母方の叔父は高校教師で、私には素直に尊敬できる人であった。
昔の共通一次試験で地域別ではあるが一番になるくらいに優秀な人だったけれども、私の母を含めて多くの兄弟姉妹を抱えた長男として、大学院に進まずに高校教師になった男だった。
その叔父が不治の病にかかり、病院で生死の境目を彷徨っているとき、私が見舞いに行くと、それが夜中だろうが、昼間だろうが、常に多くの教え子が見舞いに来ていて叔父に寄り添っていた。
結局、叔父は死んだが、最後の最後までいつも私を見るとこう言ってくれた。
「タケオはえらいなぁ」と。
私の結婚式で、あんまり飲めない酒を飲み、顔を真っ赤にして、一人で黒田節を歌ってくれた。
本当に嬉しそうな笑顔で…
そして、会うたびに言ってくれた。
「タケオはえらいなぁ」って。
でも…いつも思う。
俺は全然まだ偉くなんてないんだって。
だから、ゼミ生に求められらば、俺はその求めに応えるんだ。
高重おじちゃんは、俺に教師としての生涯の向き合い方を教えてくれたんだ、きっと。
と、今、思う。
俺は偉くなんて全然ない。
俺なんてまだまだだ。
おじちゃんには到底まだまだかなわない。
だから、俺はきっと学生に向き合うんだ。
分からんけど、きっと、そう。
それが学生と向き合う理由…だと思う。
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