本日は,埼玉県入間市にあるカネパッケージ㈱という会社を訪問してきた。
いろいろとお話しをおうかがいしたが,本当に良い会社で,非常に感銘を受けた。
売上高の0.1%を,フィリピンのマングローブの再生のために振り向け,2009年度から現在までに400万本以上の植林をしてきたそうだ。
失礼だが,製造業の中小企業で,売上の0.1%というのは,大変な額であろう。
2009年といえば,リーマンショックの年だが,それが起きてから一ヶ月後に,そのマングローブ再生のための活動を開始したというから,なおさらすごい。
あの時は,本当に注文が消失したといってもよいぐらいの衝撃波を,どの企業も受けていたのに・・・。
また,その植林も,どこかに任せるのではなく,日本からの数人に加え,フィリピンやベトナムなど海外の事業所の従業員たちが,現地の方たちと一緒になって行っているというから恐れ入る。
なかには取引先の方が,植林に参加されることもあるそうだ。
しかし,その結果,従業員たちの意識がみるみる変わっていったそうだ。
省資源意識に加え,社会に有意義な会社に勤めることができているという誇りのようなものを感じるようになり,モチベーションがぐんぐんアップしていったそうだ。
植林だけではなく,同社は,フィリピンの貧しい島に小学校を寄付したり,クリスマスにはプレゼントを届けているそうだ。
もともとフィリピンのマングローブは,かつて日本の商社によるエビの養殖場のための乱開発で,激減した過去があるそうだ。
社長は,同じ日本人としての贖罪の意識に加え,きっと元通りに復活させてみせるという強い使命感をお持ちのようだった。
人間は,自分が正しいことをしている,と思ったときに,とんでもないパワーを発揮するものだ。
この会社の社員も,社長の理念に共鳴して,きっと高いモチベーションを維持できているのだろう。
段ボールなどを使った梱包材は,大きい方が売上単価を高く設定できるらしいが,省資源意識の高まりを受け,あえて小型の梱包材の設計が志向されるようになったらしい。
それにより一時的に売上は下がったのかもしれないが,しかし,そういた省資源意識に共鳴する企業の受注増や,小型化により物流コストを低減できることに着目した企業の受注増により,結果として,売上はずいぶん増えたそうだ。
現状を否定し,社会のため,環境のため,という理念を掲げ,それを実践するのは,中小企業にとっては大きな意思決定であったろう。
近年,同社は,環境大臣から表彰を受けたり,東京商工会議所から「勇気ある経営賞」を受賞したり,注目され始めている。
しかし,もっともっとこういう良い会社は,世に知らしめるべきだと思う。
同社は,サントリーと提携して,缶ジュースの自動販売機に植林の模様をデザインし,ジュース1本につき10円が植林事業に寄付される仕組みも展開している。
今度の中大の学長に,中央大学内の自販機も,植林事業への協力のために,衣替えすべきだと進言するつもりだ。
もし,それにより学生の環境意識が少しでも高まり,植林を手伝うものが出て来てきたりしたら,素晴らしいことだ。
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