2020年8月7日金曜日

16期生の夏ゼミ

今日は16期生の夏ゼミ。
まずはタバッチによるアメーバ経営と働きがいの研究。
アメーバ経営は構造的に,特に評価的インセンティブ,自己実現的インセンティブ,理念的インセンティブを供給しており,したがってそれらのインセンティブに対する希求度合いが高い人にとっては,それらのインセンティブが充足された時に,働きがいを感得しやすいと考える。
逆に物質的インセンティブに対する希求度が高い人には,働きがいは感じにくいのかも。
仮説設定をしたうえで,尺度をどうするのかという検討に入ってもいいかもしれない。
この時期にしては進みが早いね。

2番目はノスケのフィードバックに関する研究。
ネガティブフィードバックを情報通知(耳の痛いことであっても,部下のパフォーマンス等に対して情報や結果をちゃんと通知すること)と立て直し(部下が自己のパフォーマンス等を認識し,自らの業務や行動を振り返り,今後の行動計画を立てる支援を行うこと)に分類(中原,2017)。
これらのフィードバックの認知が高い部下は,職務満足が高い等のポジティブな効果が得られやすいと考える。
経験学習の文献を調べてみたり,ネガティブなフィードバックの受け手のパーソナリティ等がその受けとめ方に影響することはないのか,等を検討してもいいかも。

3番目はジェイのミドルマネジメントの上方影響力に関する研究。
上方影響力とは「ミドルが上司に対して有する発言力の大きさないし上司との関係における自律性の程度(金井,1991)」。
上方影響力の促進要因としてコミットメント(情緒的はプラス,規範的と存続的はマイナス)を位置づけるのはいいかもしれないけれども,職務志向性については再考の余地あり。
結果要因もチームパフォーマンスというのはイマイチ。

4番目はリョウの新卒採用に関する研究。
渡辺ゼミとしては珍しく仮説検証型研究ではなく,仮説発見型研究を指向。
オンライン就活で成功した人と失敗してしまった人の傾向性を探索する。
中大のC-compassの質問項目が参考になるかもね。
あれもコンピテンシー関連のクエスチョンネアだから。

5番目はアカリのテレワーク下における自己調整学習に関する研究。
こちらもひょっとしたら仮説発見型研究でもいいかも。
努力調整方略,プランニング方略,モニタリング方略,認知的方略として,テレワーク下でどのようなことが具体的に行われているのか,行われていると想定されるのかの質問項目。
自己調整しながらテレワーク下で仕事を適切に行っていることを捉える質問項目等をまずは作成する。

6番目はシンの臨場感の尺度開発に関する研究。
インタビュー調査で臨場感の大枠を捉えたいのなら,まずは実践あるのみ。

7番目はタカキのキャリアリフレクション(CR)の研究。
CRとは,自身のこれまでの仕事ぶりやキャリアを捉え直すことで生じる,職務やキャリアに対する考え方の変化(永野・藤,2016)。
弱い紐帯とCRの関係は先行研究で明らかにされているけれども,紐帯の弱さだけではなく,対象となる人物が自分にとってどのような人なのか,またその人物の生立ちの自分との相違性等,他にもCRに影響を与える要因はありそう。

8番目はタクミの暗黙の協調に関する研究。
どのような内省の仕方が,チームメンバー間の暗黙の協調を促進するのか。
まずは効果的な内省とは何かを検討しないと。


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