GSBCの3日目の午前はデュッセルドルフ市役所を訪問。
同市はヨーロッパでも有数の日本企業の進出地であり,市役所の中に日本デスクといって,日本企業の進出をサポートする部署がある。
その日本デスクの方々は日本語がペラペラなのだけれども,日系企業をフォルトナ・デュッセルドルフのスポンサーとして紹介するようなことも非公式に行っているよう。
ということで,GSBCの学生たちは,デュッセルドルフの地域特性としての日本,日系企業あるいは日本人コミュニティーとの関りの深さを学ぶことができました。
そのことが,フォルトナのビジネスに影響を及ぼしていることも。
午後は,マーケティング担当のダニエルさんにご講演いただく。
フォルトナのマーケティンに非常に大きな影響を与えているのは「Fortuna für alle(フォルトナ・フィ・アーレ);FFA」なので,FFAの話が中心となる。
FFAはほぼ全観客の入場料を無料にする施策であり,2023-24シーズンは3試合実施され,2024-25シーズンでは4試合,2025-26シーズンでは5試合実施予定であり,いずれは全試合に適用することも予定されている。
なぜFFAを実施することになったのか,その理由についてまずはご説明いただいた。
第一に,現在のドイツのサッカー界を取り巻く環境変化がある(放映権料が頭打ち,投資家がクラブ保有ができない,サステナビリティに取り組む必要性の高まり,等々)。
第二に,デュッセルドルフの特徴がある(経済的単位としては潜在的な力がある市であるが,ロゴ掲出に対して経済的な便益を提供するという単純な構造ではすまなくなっている。スタジアムはとても素晴らしい,等々)。
FFAの目的は,クラブの魅力の促進,パートナー数の増加,ファンと会員数の増加,街自体の関心の促進。
FFAの実施を1年半前にリリースしたところ,3日間で,1200メディアが取り上げ,15億人の人がそのニュースを見た。
これは凄まじいパブリシティであり,フォルトナのブランド力を高めたといえよう。
こうしたブランド力の高まりは,パートナーの獲得に貢献しており,さらにはパートナー収入の50%をサステナビリティに活用するということで,さらにパートナーが増えるという循環になっている。そして,テナビリティの実現のために,街との連携も進めているとのこと。
フォルトナに対する好感度は様々な指標で2桁上昇した。FFAを理解してもらうために様々なワークショップを行ってきており,ファンや会員の70%がFAAにポジティブな印象を持っているとのことである。
実際の集客も成功している。一番のワーストケースはFAAを実施したのに,スタジアムが満員にならないことだったが,昨年は35万人が応募してきており,FAA実施試合すべてが満員になった。
無料のため,ノーショウのケアが大事だが,様々な工夫をした結果,現在10%を切っている。普段の試合はチケットを買っているのに15%くらいであり,対策が機能しているといえる。
いかん,ちょっと書ききれん。
私にとっても学びが大きいし,これからも学んでいきたいテーマ。
以下は,ダニエルとの記念写真。
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