今,こんなのがあるんだね。
私の大好きな詩人の朗読が,ユーチューブにアップされているなんて。
https://www.youtube.com/watch?v=JlmcAbvnpyk
26分から語られる「盲目の秋」
大好きだったなぁ。
有名な「汚れちまった悲しみに」より,ずっと好き。
「去りゆく女が最後にくれる笑(えま)いのように、
厳(おごそ)かで、ゆたかで、それでいて佗(わび)しく
異様で、温かで、きらめいて胸に残る……
ああ、胸に残る……
風が立ち、浪が騒ぎ、
無限のまえに腕を振る。」
でも,私が一番好きだったのは三番。
「せめて死の時には、
あの女が私の上に胸を披(ひら)いてくれるでせうか。
その時は白粧(おしろい)をつけてゐてはいや、
その時は白粧をつけてゐてはいや。
ただ静かにその胸を披いて、
私の眼に輻射してゐて下さい。
何にも考へてくれてはいや、
たとへ私のために考へてくれるのでもいや。
ただ はららかにはららかに涙を含み、
あたたかく息づいてゐて下さい。
――もしも涙がながれてきたら、
いきなり私の上にうつ俯して、
それで私を殺してしまつてもいい。
すれば私は心地よく、うねうねの暝土(よみぢ)の径を昇りゆく。」
中也の擬音は天才的。
上記の「はららかに」という表現。
聞いたことのない形容だが,聞くと意味がなぜか分かる。
かつて誰も使ったことのない擬音なのに。
天才としか言いようがない。
天才とは,これができる人を言うのだろう。
山羊の歌を聴きながら,酒を飲むのは,至福。
ユウヤからもらったビールでも飲むか。
明日も早い。
都心キャンパスだ。
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