2011年1月26日水曜日

日韓戦を見て思う

昨日のアジアカップの日韓戦は素晴らしかった。
日韓ともに,中心となる選手は,まだ20代になったばかりの選手であった。
つまり,我々が普段接している若者たちの世代である。
その技術の高さや不屈の闘志に加え,最後まであきらめない気持ち,フェアプレーの精神,仲間を思いやる心など,日本の若者も,そして破れたりとはいえ韓国の若者も,素晴らしかった。試合終了後,日本が勝ったことの嬉しさより,このような素晴らしい試合を見ることができたことに,胸が詰まり,涙腺がゆるんだ。こういう若者を見るにつけ,未来は明るい,そう思うのである。草食系だとかなんだと言われているが,多くの若者は素晴らしいものを持っていると思う。

「にもかかわらず,あなたは今の若者に厳しすぎる」

私の言葉ではない。
東京大学の高橋伸夫先生の近著『組織力―宿す,紡ぐ,磨く,繋ぐ』(ちくま新書)の一節である。
高橋先生の主張のすべて首肯するわけではないが,多くの点が私の考えと近い。
その言葉を,少し長いが続けよう。

「…面接の話題に事欠いて,若者に自己分析を強要したり,果ては,夢も希望もないおじさん,おばさんたちが,若者に夢や希望を語らせようとしたりする。
 そもそも,あなたたちが入社した頃は,会社は『変な色に染まらず,真っ白な状態で入社してほしい』と言っていたのですよ。若者に即戦力なんて求めていなかった。あとは会社で育てますとまで言っていたのです。だから今,あなたはこうしていられる。それなのに,喉元過ぎれば熱さ忘れるとばかりに,そんなふがいない若かりし頃の自分たちの姿はサラッと忘れて,あなたは今の若者に多くを求めすぎなのです。
 どうか彼らを正社員として雇ってあげてほしい。そして,みなさんの後継者として育ててあげてほしい。
『そんなことを言われたって,一人前になるかどうかも分からないのに…』
 そう言うおじさん,おばさんたちに,私はこう答えることにしている。
『大丈夫!あなたぐらいにはなれますから。社長になるのは無理かもしれないけど』
 私はあなたのことを知らないが,あなたが十分会社の役に立ち,貢献していると自己評価しているのであれば,その程度で十分なのである。あなたは,会社にとって必要な存在のはずだから,あなたが引退した後も,あなたの代わりになるような人は必要なのですよ。成長する会社なら,一人じゃなくて何人も必要になる。あなたが会社にとって取り替えのきかない人材である以上,あなたの代わりはすぐには見つからない。だから,あなたの代わりを務められる若者を育てるのは,あなたの究極の仕事なのです。だってあなたが『仕事を任せられるような人』を育てることができるのは,あなただけでしょう?若者にこう言ってやってほしい。
『ありのままの君でいいからうちの会社に来い。20年もやっていれば何とかなるから。大丈夫。俺も(私も)そうだったんだよ』

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