私みたいな未熟な人間は,自我に容易に克てない。
以前も書いたが,私の伯父は,生涯一高校教師を貫いた男だった。
生物の教員だったと聞く。
本来なら,大学に残るべき,優秀な男だったと聞く。
私は,実の父以上に,その実質を探ろうと,良く会話を希求し,そしてそれを実践した。
しかし,結局,分らなかった。
分ったことは,その伯父が心臓病で倒れ,生死の境をさまよっている時,親族の我々と同じくらい,否,それ以上に見舞いに現れ,そして,その死に慟哭する多くの教え子たちの姿があったことくらい。
その伯父は,大学の教員になった私に会うと,よくこういった。
「岳夫,偉くなったなー,岳夫,偉いぞ」
しかし,私は,今も全然偉くない。
私は,伯父の足もとにも及ばない。
伯父は自我を超克していた。
今にしてそう思う。
しかし,私は・・・。
今 聞こえるような気がする。
「そんなことは聞くもんじゃない
答えを聞いて,分るもんじゃない
自分で見つけるもんだ」
そういう,言葉が。
ごめん
おじちゃん
まだ,分らんわ,おれ。
結婚式で歌ってくれた
黒田節
忘れられんよ
また一緒に飲みたいよ
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