今年のゼミの春合宿もオンラインになってしまった。
思い返せば対面で実施した直近の合宿は,2020年の2月。
コロナ禍の兆しが出始めたころで,ぎりぎり実施できた対面の合宿が,なにやら遠い昔のようにも思える。
その後の2020年の夏合宿,2021年の春合宿と夏合宿,そして2022年の春合宿と,すべてオンライン実施になったため,代々引き継がれてきた渡辺ゼミの文化も継承されずに,だいぶ希薄化した。
上の代からしっかりと引き継がれてきたので,コロナ前までは,任せておけば,共有されてきた行動パターンがたいがい現出したもんだ。
それが出ない。
コミュニケーションも希薄化している。
4月以降,19期生は私自身が昔のように,直接指導しよう。
懐かしい気もする。
2年間過ごしたシアトルから帰国し,2007年から2年ぶりにゼミを担当し,また一からゼミを創っていくために,6期の連中とぶつかり合いながらも,徹底的にコミュニケーションをとったっけなぁ。
しかし,変わらないものもある。
それはやる時には徹底的にやるってこと。
昨日のゼミ合宿初日は10時間,そして二日目の今日は8時間,都合18時間,18期生と19期生合計して40名全員が,何らかの形で研究発表を行った。
オンラインということもあり,本当は自発的な意思に任せたいのだが,1名の研究発表に対して残りの39名が最低1回は,チャットを通じて質問あるいは意見などを述べることを義務づけた。
しかし,これが意外と良かった。
最初は外的な規制で行った行為(外発的動機づけ)も,チャットで次々と出される意見などを見て,この仲間たちの前で恥ずかしい思いをしたくないという規制に基づく行為(取入れ型動機づけ)に移行し,そして時に褒められたり,自分の質問に反応してもらったりするうちに環境を効果的に変革している感覚(有能感)を得て,どんどん自発的に質問するようになり(自律性),最終的に議論が楽しくなり,楽しいからどんどん議論に参加するようになる(内発的動機づけ)。
18時間もの間,すべてに集中することは難しかっただろうが,19期生全員から寄せられた合宿の感想を見ると,多少割り引いて受けとめたとしても,研究の楽しさ,議論に参加して知的興奮を経験することの素晴らしさを,だいぶ体感してくれたようだ。
今後に期待したい。
まずは心理的安全性の高い組織を創りあげたいね。
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