2021年4月16日金曜日

お金のプライミングで自己効力感が…

この研究は興味深い。

Mukherjee, S., Manjaly, J. A., & Nargundkar, M. (2013). Money makes you reveal more: consequences of monetary cues on preferential disclosure of personal information. Frontiers in Psychology: Cognition, 4:839. 

https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fpsyg.2013.00839/full

実際の報酬がなくても,お金を連想させる(プライミング)だけで,見知らぬ人に個人情報を開示する意欲が高まるかどうかを検討した研究。

金銭的な手がかりが日常生活の中に遍在していることを考慮して,金銭を想起させることがプライバシー開示嗜好に与える文脈的効果を測定している。

実験1では,お金を想起させることで,オンラインショッピングサイトで共有可能な個人情報を開示する意思が高まることが分かった。

実験2では,お金をプライミング(お金の写真を背景に利用)することで,実際に個人情報を開示する傾向が高まるかどうかを検証した。

実験1と実験2の両方において、お金を「呼び水」にすることで,個人情報の開示意欲と実際の開示がともに高まることが分かった。

この結果は,短期的な報酬は,人々に個人の安全性とプライバシーをトレードオフさせるだけでなく,金銭を想起するだけで自己開示が増加することを示唆している。

お金は,抽象的な形の満足感やコントロールを誘発し,それによって個人情報の優先的な開示に影響を与えているのかもしれない。

さらに,お金のようなプロモーションやアプローチ志向の手がかりは,リスクの高い探索スタイルを誘発するため,お金の手がかりが,個人情報を開示するというリスクの高い行動を誘発しているのかも。

お金が自己開示を増加させるメカニズムの一つとして,リスクの高い将来のシナリオに対処するための自己効力感が高まっていると考えられる。

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