今日は学祭の準備日で授業はお休みの日…
だが,そんな日に限ってゼミ生は私に休ませてはくれない…
ということ,4年生全員の卒論研究をチェックすることに。
一人目のサトシ。
残業の集中モデルを検証する研究。
スキルが優秀な特定の社員に業務が集中し,その社員の残業時間が増加し,結果として部門内にフリーライダーが増える(あるいフリーライダーが生じる)というモデル。
はい,モデル完成ね。
先行研究をしっかり踏まえて,ロジックがしっかり立つように仮説を説明できるようにするとともに,質問票の作成を始めること。
二人目のシュウホ。
情動知能を促進するメカニズムの解明。
共有経験が情動知能を高めるけれども,共有不全経験はそれを低下させると先行研究では指摘されてきた。
これに対して,共有不全経験もまた情動知能を高めるという仮説を立案。
これはちょっと面白い。
しっかりと根拠を固めることができたら,結構いけるかも。
また共有経験や共有不全経験に対する先行研究の定義には,主体の認知に依拠しているという点について疑問があるので,その辺りを修正することができれば,なお良い。
モデルの原型は完成といって良い。
三人目のケンタロウ。
カリスマ営業マンは,営業のプロセスにおいて顧客をフロー状態にすることができるという観点から,その促進要因を明らかにする研究。
傾聴力,プレゼン能力,顧客との関係性,感情のコントロール力。
こういった要因が顧客をフロー状態にして,最終的に営業成績を高めると考える。
ただし,ここで顧客といった場合,新規客と既存客の両方を対象とするのか,いずれか一方を対象とするのか,といった点をよく検討すること。
四人目のタカシ。
残業の伝染モデル。
上司が楽しそうに(内発的モチベーションに基づき)長時間労働をしていると,部下たちは帰りにくくなり,部下の残業時間が増えるというのがオリジナルのモデル。
でも,もしそうだとすると,部下たちに内発的モチベが伝播し,部下も残業を楽しく行い,仕方なく残業している感がでない。
オリジナルの伝染モデルとは異なり,起点を変える。
すなわち上司が何か外的な条件(評価や賞与)のために(外発的モチベーションに基づき)長時間労働をしていると,部下たちは帰りにくくなり…というモデルを立案。
ただし,帰りにくくなり→残業時間が増えるという現象を説明するロジックとして多元的無知を用いているが,その点についてはしっかりと再考した方が良い。
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