研究に近道はない。
先行研究のレヴュー一つとっても,「必要」な論文だけに出会えるわけではなく,可能なたくさんの論文を読み,その中で自分で「必要」な論文を見つけるしかない。
決定的に大事なことは,当初「必要」だと思っていた趣旨の論文(だけが),「必要」だったわけではないことに,気づくことが良くあるということ。
そう,終着点は誰にも分からない。
だから研究は楽しい。
ゼミ生の中には,正解を私に求める人もいる。
だがね,いつも言うように,私も正解なんて分からないんだよ。
自分の研究ですら分からないのに,ましてや諸君の研究をや。
要するに寄り道が大事だってこと。
正解を求めて近道を行こう,行こうと焦らないこと。
本当に「必要」なものを置き去りにしているかもしれない。
薄っぺらいものにしかたどり着けないかもしれない。
これは研究だけに限らないと思う。
世の中で成功している(自分がしたい世界で自分がしたいことを生業とできている)人ってのは,たいてい寄り道の大切さを説く。
ゼミ生やOBOGの中には,私が矢沢永吉を好きなことを知っている人も多いでしょ。
永ちゃんは言うんだよ。
「近道をずーとしていると,必ず近道が敵になる,いつか必ず敵になってくる」
近道ばかりを歩むな。
寄り道をするからこそ,未知の風景や光景にも出会えるかもしれないし,美しい花を見ることもできるかもしれない。
素晴らしい人とお知り合いになれるかもしれない。
いずれ分かるよ,10年経てば。
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