ヘレンケラーというアメリカの教育家のことは,多くの人が知っていると思う。
視覚と聴覚に重度な障害を持ちながら,障がい者の教育に尽力した方。
ケラーが言っている。
はじめはとても難しいことでも
続けていけば簡単になります
そう,そうなのだが,多くの人は直感的にもそうだと分かっているのだが,なかなか続けるのが難しい。
しかし,続けることさえできれば,なぜ難しかったのか,今度はそっちが分からなくなるくらい,簡単にできるようになる。
日曜日に,野球観戦の後,一緒に観戦していた3年生数名と3時間以上,お酒を飲みながらじっくりと話をした。
その際,とても嬉しかったことがある。
論文レヴューのことで,当初はゼミを続けられるかなぁって心配していた子が,こう言った。
最初は,研究論文のどこにどのように焦点を当てて読めば良いのか全然分からなかったけれども,今ならすっと読めてしまう。
最初,なぜ分からなかったのか,分からないって。
毎週,毎週たくさんの論文を読んで,夜中に皆でオンラインでグループワークをして互いに励ましあいながら,その領域に辿り着いてくれた。
その時,すぐにケラーの言葉を思い出し,嬉しくて正直ウルってしてしまった。
さらに,その子は昨年会計学科の必修科目の単位を落として,現在再履修で私の授業を受けているのだが,そしてちょうどその授業では非常に難しい単元を学修し終わったところだったのだが,「理解できた?」って私が聞いたら,「先生はこの単元を難しいっていうけど,全然難しく感じなかった」だって。
その子は,火曜日1限,金曜日3限の週2コマの授業を,これまで23回の授業を一度も休まず,遅刻もせずに,しかも熱心に授業を聞いていてくれた。
そして,復習もしてきていたのだろう。
その難しい単元というのは日商簿記検定の1級の水準。
それを難しく感じなかったって,どれだけ継続して頑張ってきてくれたのか…
それが嬉しくって,つい飲みすぎちゃった。
でも,その日の晩は本当に良い気分で過ごすことができた。
今,私の尊敬する東井義雄先生の書物に書かれていた,大好きな詩を想いだす。
どの子も
子供は星
みんなそれぞれの光り方で光っている
パチパチ
目ばちをしながら
子供はそれを見てもらいたがっている
無視してはならない
無視が続くと
子供は目ばちをやめる
無視が重なると
子供は光を消す
目ばちをやめそうにしている星はないか
光を消しかけている星はないか
光をみてやろう
そして
天いっぱいに
星をかがやかせよう
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