今,新幹線に乗っているところ。
びわこ成蹊スポーツ大学の副学長の先生(7月に学長に就任予定)は,以前,長崎スタジアムシティ関連の構想をしている際にお知り合いになり,今でもお付き合いさせていただいている方。
今日は,施設見学をさせていただいたり,様々なことについて懇談してくる予定。
理工学部のスポーツアナリティクスの先生もご一緒に。
さて,その新幹線の中で仕事をしながら,ふと授業のことについて思いをいたす。
今年担当している「原価計算論」の履修態度が頗る良いことに。
私は最初のオリエンテーションを非常に重視している。
まず最初に私語は厳禁であることを伝える。
命令形ではダメ。
なぜ,私語をしていけないのかを,しっかりと伝える。
最大の理由は,静穏な環境で授業を受けたい学生の邪魔になること。
大声ではなくても,コソコソ話でも,意外と耳障りだし,集中して授業を聴くことを阻害しているのだということを伝える。
ただ,口頭で伝えるだけではなく,ここで過年度の学生の感想を見せる。
ここ数年,最終授業日に,授業運営,期末試験,中間試験,毎回の授業で行う小テストや思考クイズについての感想と,次年度の履修生へのアドバイスを,授業支援システムを通じて提出してもらっている。
この中に,静かな環境で授業を受けられたことがとても良かったという感想が多数あることを,受講生たちは認識する。
ただ,口頭で伝えるだけではダメで,そのことの効果を示唆するエビデンスを示さないとダメだと思う。
そして,私語をするべきではないことのもう一つの理由として,私の感情面を伝えるとともに,受講生の実利にもつながることを示唆する。
すなわち,静穏な環境が維持されれば,私も授業をしやすいし,プロだからいかなる環境でもベストの授業を目指すけれども,私も人間なので諸君が素晴らしい態度で受講してくれれば,なお良い授業・より分かりやすい授業をとモチベーションを高く保つことができ,結果として諸君にとってもメリットが大きいよ,と。
そこで先ほどの過年度の履修生の感想がさらに活きてくる。
有難いことに,私の授業は分かりやすいとか,親身になって教えてくれると,難しいところは繰り返し教えてくれるとか,そういった記述が多数あるので,なるほど,静穏の環境が維持されれば,この先生なら良い授業をしてくれそうだと,期待を抱いてもらえる。
さらに,静穏な環境が維持されていることを,毎回の授業でしっかり褒める。
素晴らしい!最高の授業をしてあげたい気分だ!今年の受講生は凄い!って。
実際,今年は進捗度も良い。
それが良いから,100分授業での中だるみを防ぐためにも,途中で3~5分の休憩をとることもできる。
そうすると,学生も息抜きができるし,友達とおしゃべりすることもできる。
で,休憩後,再開します!って言ってから,すぐに静穏な状況になると,またそれを素晴らしいって褒めてあげる。
以上のようなことをもう5回ぐらい繰り返しているが,そのおかげで素晴らしい授業環境が維持できている。
また,大きい教室を利用させてもらっているので,受講生は200名程度いるだけれども,隣の人と一席空けて座ってもらっている。
これもしっかりと理由を理解してもらって,そのようにしてもらっている。
次のように伝えている。
私の授業では,ほぼ毎回,クイズや練習問題を解いてもらいます。
その際,君らには自分にとって何のためにもならないことはしてほしくない。
私の人間観は性善説でも性悪説でもない。
ただ君らが好きでカンニングなどをしているのではないと思っている。
私はあえて言うのならば,性弱説を信じている。
人間は弱い,だからふと魔が差す。
私は君らのその弱さから生じる,すべきではないことを,できないようにしてあげたい。
だから,一席空けて座ろう。
以上の説明に加えて,さらに上記の過年度の学生の感想文が活きてくる。
そこでは,中間試験などは一夜漬けでは対応が難しい,日商の簿記試験の2級などを取得していても,それらとは出題の仕方が全然違う,コツコツ日頃から練習問題を理解しておくことが大事だ,といった意見が連なっている。
また,その過年度の学生の感想文の中には,隣が空いているので,空間的にゆったりと授業を受けることができて良かったとの意見などもある。
私の人間観を伝え,そしてそうすることの必要性もメリットも理解してもらえば,2回目の授業からほぼほぼ一つ空きに着座してくれる。
3回目の授業では,もう完璧にそうなっていた。
以上のように言語化してみて,実は他にもたくさんの授業ノウハウを自分が有していることを再確認した。
それらについても,今後,機会を見つけて書いていきたいと思う。
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