2023年10月31日火曜日

プロデュース論6回目!!

本日の講師の先生は,長く東京エージェンシーにお勤めで,今夏に独立されて㈱STAGEを起業された,クリエイティブディレクターの野口大介氏。

プロデューサーとクリエイティブディレクターの役割は,根本的には一緒。

いずれも目的を定め果たす人。

一言でいうと総合責任者。

違いがあるとすると,クリエイティブ・ディレクターは主にクライアントの課題解決のために存在していて,みんなを巻き込み,元気に最後まで導く,船長のような役回りを果たす。

たとえば,課題抽出,戦略立案,コンセプトづくり,実施(プロダクト,CM,デザイン,イベント,WEB・SNS,PR)など,コミュニケーションやビジネスに関することまで様々。

課題解決に導くフレーム。

現状の商品の存在価値に課題があって,どんなところまで行けるといいかな,というところにちょっと無理めなミッションを定め,その間にコアアイデアがある。

例,平凡な学生の課題として「つまらない」というのがあり,大学一の彼女と付き合うというミッションを定め,それをコンプリートするためのコアアイデアを考案することが大事。

現状の商品がそのミッションをクリアするために強烈なエンジンになるものを「コアアイデア」と言う。

良いコアアイデアは,ターゲットや世の中に良い影響を与えるブランドアクション(ブランドの存在意義を行動で示す課題解決行動)。

コアアイデアを考える視点。

①クライアントの商品やサービスをしっかりと理解する。「らしさ」をイメージする。

②コアファンを見つける。

③本能的に揺さぶられるか

④世の中や空気,当たり前の「逆を見る」

⑤メディアは届ける場ではなく「着火場所」ととらえる

⑥アイデアが閃くシーン(例えばランニング中)を見つける

⑦もっとも大事なのは「着地点」


課題解決事例1

子供とシニアの公共放送であるNHK,設定されたミッションは,NHKが甲子園のような青春装置になる。

課題としては,18歳はそもそもNHKを見ない。

設定した視点は,18歳が主役で超有名なアーティストが脇役になる。

コアアイデアは1000人の18歳が主役になる「18祭」。

1000人の18歳が主役,ONE OK ROCKと奇跡のステージを創る。

憧れのアーティストと一緒に奇跡のステージを創る。

強い参加性,努力,勇気がイベントの成否を左右する。

かけがえのない体験を提供し,人生の可能性を感じてもらう。

18歳に動画で応募してもらう。

それをみてONE OK ROCKに曲を創ってもらう(「We are」)。

このプログラムの再放送のリクエストがNHKで過去最高のリクエストがあった!!


課題解決事例2

課題は,バーガーキングのブランドコンセプトは「Your way(すべてはあなた次第)」だがほとんど知られていないこと。

視点は…ハンバーガー=マクドナルドが当たり前だが,本当に当たり前なのか?

当たり前の逆をいく!

これまで,直火焼きで大きなハンバーガーという売りだが,トッピングとかも自由(有料のものもあるが)なのだが,その「Your way」がほとんど知られていない。

設定したミッションは,お客様好みのハンバーガー。

コアアイデアは,プレミアム・フライデー・ワッパー(PFW)。

プレミアムフライデー4年目のタイミングで,中身が不明の金のPFWを発売。

実は,名前だけプレミアムで,いつもと変わらないワッパー。

箱の裏にはトッピング自由な無料券付き。

ブランドコピーのYour wayっを体現したブランドアクション。

着地力は…キャンペーン当日にほぼすべての都内店舗をチェックする。


課題解決例3

明治のDearMILK,原材料は乳製品のみ

アイスはそもそも乳製品なので,凄さが伝わらない。

アイス市場の新製品はほぼ生き残れない。

アイスの美味しさはそもそも乳製品,卵,砂糖,バニラビーンズ,安定剤,季節のフレーバー原材料など,「足し算」でおいしさをツ窮してきた。

DearMILKは真逆の引き算的な発想。

コアアイデアは何も足さないアイス。

ミッションは新王道アイスクリームにする。

何も足さない広告。

真っ白な広告。

目を凝らさないと見えないくらいのうす刷りで,DearMILKのことが。

広告は単に認知で終わることが多いが,自ら目を凝らしてみて,うす刷りを発見して,原材料乳製品だけっていうコピーを見つけ,理解する。

理解をプッシュせずに,自ら理解するような仕掛け。

以上は大きな反響をよんだ。

0 件のコメント:

コメントを投稿