2021年10月7日木曜日

今日は妙に…

学生時代、とにかく良く本を読んだ。

大学のただ本を朗読している授業なんて糞くらえって感じで、毎日酒を飲みながら、月に100冊以上は読んだかな…

古本屋を行脚して、良く神田にも行ったもんだ。

大学の専門に関するものはさっぱりだったけど…昭和文学を、特に、ね。

なかでも中也は大好きだったが、今日、なぜかこの詩を想いだした。

大好きな詩集「山羊の歌」のなかの奴。

学生の頃は、酔っぱらうと、この詩をブツブツね、やったもんだ。

気持ち悪がられたけどね。


「寒い夜の自我像」

きらびやかでもないけれど

この一本の手綱をはなさず

この陰暗の地域を過ぎる!

その志明らかなれば

冬の夜を我は嘆かず

人々の憔懆のみの愁しみや

憧れに引廻される女等の鼻唄を

わが瑣細なる罰と感じ

そが、わが皮膚を刺すにまかす。


蹌踉めくままに静もりを保ち、

聊かは儀文めいた心地をもつて

われはわが怠惰を諫める

寒月の下を往きながら。


陽気で、坦々として、而も己を売らないことをと、

わが魂の願ふことであつた!

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