学生時代、とにかく良く本を読んだ。
大学のただ本を朗読している授業なんて糞くらえって感じで、毎日酒を飲みながら、月に100冊以上は読んだかな…
古本屋を行脚して、良く神田にも行ったもんだ。
大学の専門に関するものはさっぱりだったけど…昭和文学を、特に、ね。
なかでも中也は大好きだったが、今日、なぜかこの詩を想いだした。
大好きな詩集「山羊の歌」のなかの奴。
学生の頃は、酔っぱらうと、この詩をブツブツね、やったもんだ。
気持ち悪がられたけどね。
「寒い夜の自我像」
きらびやかでもないけれど
この一本の手綱をはなさず
この陰暗の地域を過ぎる!
その志明らかなれば
冬の夜を我は嘆かず
人々の憔懆のみの愁しみや
憧れに引廻される女等の鼻唄を
わが瑣細なる罰と感じ
そが、わが皮膚を刺すにまかす。
蹌踉めくままに静もりを保ち、
聊かは儀文めいた心地をもつて
われはわが怠惰を諫める
寒月の下を往きながら。
陽気で、坦々として、而も己を売らないことをと、
わが魂の願ふことであつた!
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