2021年6月16日水曜日

詩 死 志

大阪芸大出身の親友は5年前に死んだ。

その親友の卒論のタイトルが掲題。

ともに詩が好きだった。

中也とか。

どっちかっていうと、そっち系のが、ね。

でも、最近、谷川俊太郎が好きだ。

議論したかったなぁ、奴と。

日和ったって言われっかなぁ。

まぁ、いいか。

いいもんはいいから、感性だから、さ、

なぁ?

お互い知らないもんが多かったなぁ?


以下、引用。


「ふくらはぎ」

俺がおととい死んだので

友だちが黒い服を着こんで集まってきた

驚いたことにおいおい泣いているあいつは

生前俺が電話にも出なかった男

まっ白なベンツに乗ってやってきた


俺はおとつい死んだのに

世界は滅びる気配もない

坊主の袈裟はきらきらと冬の陽に輝いて

隣家の小五は俺のパソコンをいたずらしてる

おや線香ってこんなにいい匂いだったのか


俺はおとつい死んだから

もう今日に何の意味もない

おかげで意味じゃないものがよく分る

もっとしつこく触っておけばよかったなあ

あのひとのふくらはぎに

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