この論文は実に興味深い。
Mindfulness and Motivation: A Process View Using Self-Determination Theory
ファーストオーサーは,Deciとともに内発的動機づけの理論を先導したRichard M. Ryan。
https://journals.sagepub.com/doi/full/10.1177/09637214211009511
DeciやRyanは,動機づけを外的動機づけ(物的報酬や言語的報酬,罰の回避等のために行動する),取り入れ型動機づけ(人の眼があるからしないと恥ずかしいから行動する),同一化型動機づけ(社会的に重要だから行動する),内発的動機づけ(それをすること自体が楽しいから行動する)に分類し,前二者をまとめて制御的動機づけ,後二者をまとめて自律的動機づけと大別した。
マインドフルネスは自律的動機づけのみに促進的な役割を果たす。
制御的動機づけには機能しない。
マインドフルネスの意識は,より統合的な意思決定を可能にする情報を明らかにし、自律性のための土壌を提供し,質の高い自立的な動機づけを促進する。
マインドフルな気づきが,自律性を感得するプロセスに重要なインプットを与え,それが自律的な動機づけに促進的に働くことになる,と考えるわけ。
ただ,自律性を感得するプロセスの多くは非意識的なものであり,その生物学的メカニズムはまだ解明されておらず,そこは今後の課題。
長いこと,自律的動機づけと管理会計システムの運用方法とそれがアウトプットする情報特性との関係を研究してきて,自己決定理論なんかもとにかく徹底的にレヴューしてきた。
なので…マインドフルネスが自律的動機づけに影響を及ぼすとするのなら,当然のことながら管理会計システムとマインドフルネスの関係も検討しなければならないわけだ。
うん,面白い!
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