2020年12月10日木曜日

Jリーグビジネス論Ⅱ 11回目!

本日のJリーグビジネス論の講師は電通のサッカー事業室長の大井義洋氏

この20年間,サッカーを中心にスポーツビジネスに関わってこられた,とりわけグローバルビジネスに通暁した方。

コロナ禍による世界のサッカークラブへの影響。

FCバルセロナ120億円の減収。

ダゾーンと再契約したが,年間当りの契約金は23億円減額。

日本サッカー協会は,スポーツ団体としては財政規模は日本で最大だが,49億円減収。

ロナの影響で,5大リーグの収入はトータルで3000億円ほど減収。

そのなかでポジティブなニュースは,日本プロ女子サッカーリーグ(WEリーグ)の発足。

WEリーグのビジョン。

1 世界一のアクティブな女性コミュニティーへ

2 世界一の女子サッカーを。

3 世界一のリーグ価値を。

なでしこリーグはアマチュアリーグなので,そこから11クラブを選定して,リーグを構成。

最低年俸は280万円。

アジアでは日本が魁。

アメリカは平均入場者数が2万人以上と,女子サッカーリーグは盛り上がっている。

ここでプロ化しないと,優秀な選手は海外のリーグに流出して,国内リーグが空洞化して魅力が失われる。

ここでプロ化して,むしろ海外から優秀な選手を受け入れ,国内リーグの価値を高めるべきと考えた。


コロナ禍における新たな取組み。

ファンが自分でパネルを作成して,そのパネルによるスタジアム装飾と収益(1パネル19€)の確保。

ビデオウォールによる双方向的な観戦体験。

スタジアムにスピーカーを置いて自宅からリモートで応援できるシステム。

スタジアム内に最新ロボットを配置して,そのロボットを通じて応援するシステム。

事前に録音されたサポーターの声援を流し(満員のスタジアムと空のスタジアムでは,前者の方が視聴率が高いという傾向がある),それを放送する取組み。

バーチャルであたかも人がいるよう(満席であるかのよう)に表示して放送する取組み。

ファンのアバター(ファンが自分で操作できる)が席に座って応援するMLSの視聴体験。


世界と日本。

1990年初頭においては,日本のサッカーリーグとプレミアリーグでは,収入規模はほとんど変わらなかった。

ところが,現在は10倍ほど引き離されている。

また,バブルの頃は,世界でもっとも収入が大きかったのは,ニューヨークヤンキースでもマンチェスターUでもなく,実は日本の読売ジャイアンツだった(今は見る影もないが…)。


世界で最も盛り上がるサッカーの大会は…AFFスズキカップ2018.

スズキ自動車協賛。

東南アジアサッカー連盟主催で11か国参加。

マレーシアが初優勝した時には,観戦にきた首相が翌日を休日にした!

テレビの視聴率は年間トップを独占!

スズキ自動車が得たビジネス価値は57億円!

ユーチューブを見た人,9800万人!

パブリックビューイングには信じられないぐらいの人が集まる!

決勝は10万人収容のスタジアムが満員に!

タイにおける人気のサッカーリーグは,1位プレミア,2位ラリーガ,3位ブンデス,そして4位がJリーグ!


スポーツ経営人材に求められる思考法。

時代が変われば経営も変わらなければならない!

競技とマーケティングのバランス経営をすることが必要!

多岐にわたるステイクホルダーを正しく定義づけ理解することが,戦略策定上重要!

クラフト(実践・経験値),サイエンス(科学的アプローチ・論理性・理論),アート(直感,創造性,ビジョン)のバランスがイノベーションを創出する!

今までのスポーツ組織はクラフトを重視しすぎた!

今,日本のスポーツビジネスで必要なことは「サイエンス」!

普遍的に求められるのはアート!



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