2020年10月15日木曜日

Jリーグビジネス論Ⅱ4回目!

本日はベカルタ仙台の事業・営業部長の笹氣様がご登壇。

あまり表に現れない,クラブ経営の実務についてお話いただけるとのこと。

ベガルタ仙台とは…

1994年に33万2千人の署名が集まり,できたクラブ。

宮城県と仙台市が半分の株数を所有する市民・県民クラブ。

スタジアムはユアテックスタジアム。

音響が良く臨場感のある作りになっていて,ヨーロッパから来た記者がJのすべてのスタジアムを見学し,ユアテックスタジアムが一番良いとの評を得たとのこと。

2011年の東日本の震災の1ヶ月半後には,ホームで試合を再開。

その観客に中は,家族等を失った方々も多く,旦那さんとお子さんを亡くしながらも,亡くなった方の写真を手に選手に「頑張ってね」という女性もいたという。

人の想いを背負ってする仕事と痛感した。

それが今の仕事をする原動力・使命感。

地域の皆さんのために2012年,2013年と準優勝。

少しは想いに応えることができたのでは。

地域連携活動としては…

宮城県メタボ:全国ワースト9年連続3位以内,子ども世代:5歳男児肥満:全国1位ということもあり,サッカーボールを使った運動ベガチアダンスで地域の課題解決を!

七ヶ宿町 自然とふれあう1泊2日ツアー~ホタルに会える!?~といった活動で,地域の自然とふれあい,こころもからだも健康に!

年間入場料収入はおおよそ毎年6億円。

45-55%は人件費!

集客のための重要施策として,「来場者の可視化」を実践している。
電子チケット化により,誰がどのタイミングで来場したのかというのが把握できる。
多来場者にはグッズ販売を注力,年1回程度の来場者には属性ごとに関連イベント情報を発信。
来場回数の把握は非常に重要。
回数ごとに施策を変えて適切なコミュニケーションをとることができる。
来場把握率は年々上昇し,2019年度は5割を超える。

重要KPIとして年間ユニーク来場者数(年間で重複無しで来場している人数:延べの年間来場者数ではなく,ネットの年間来場者数)を設定。
この数字が増えていると新規顧客が増えており,この数字が減っていると,それがシュリンクしているということ。
入場料収入を増やすためには,ややもすれば年間チケットの販売を増やそう!となるが,そうではなくて新規顧客の獲得が必要!
ただ無料チケットのばらまきではなく,戦略的な招待・優待を実施。
クローズドなグループに招待&優待で応募してもらい,そのうえで応募者の来場回数を確認し,非来場者層は招待し,来場経験者層は優待ということで対応!
そういった人たちには,来場体験価値を向上させるために,ポジティブな体験につながるイベント(選手がコンコースに行き,ハイタッチ)を実施。
ネガティブな体験は極小化(ホスピタリティの向上,携帯の充電器の貸出,おしぼり・てティッシュの配布,来場者アンケートの全試合実施)。
ユニーク来場者は,2019年度は前年度より6,535名増えた。

スポンサー営業について
広告モデルのスポンサーシップからの脱却!
企業課題の解決にベガルタを活用してもらいアクティベーション(権利を活用したプロモーションやイベントの活動)を提案!
ある企業の課題は新卒内定者の辞退率の改善。
そこで…
内定者懇親会の場をスタジアムに設定。
試合観戦と応援という一緒のベクトルの目的があるためコミュニケーションが取りやすい(人事担当者も含む)。
ピッチウォームアップ見学体験という通常得られない特別体験もあるため,満足度が高いイベントとなったそう。
その他にも…
BtoB企業の認知拡大,見込み客拡大のためのアンケートへの協力等々。

サッカーの素晴らしい点…
世界一までの道筋が非常にクリア!
地域の天皇杯予選⇒天皇杯⇒ACL⇒クラブWC

連帯貢献金!
12-15才まで所属したクラブは移籍金の0.25%×年数
16-23才まで所属したクラブは移籍金の0.5%×年数
移籍先クラブに請求できる!
香川真司の場合,町クラブに数千万円!

2021年度のテーマ。
震災から10年。
全ての仲間にありがとう!
がんばろう!
宮城・東北!



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