いつものように先行研究のレヴュー。
これまで幅広にレヴューをしてきたけれども、そろそろレヴューの結果を統合して、徐々に方向性を定めていってほしい。
①ユカ,Kリーグのサッカー観戦者の消費者行動に関する研究
20~30代で観客の70%。
観戦者ニーズとして,ゲーム因子(選手,成績,記録等)や付加的製品因子(アクセス,音響,接客,スタッフの態度等)が高かった。
付加的製品因子は操作可能性が高い。
②ガマッチ,ラグビートップリーグにおける観戦意図に関する研究
イベントの満足はチームアイデンティフィケーションを促進し,チームアイデンティフィケーションは観戦意図を高める。
③ナオト,瀬田元吾氏の地域密着型サッカークラブを創るための理念
フースバルフェラインを中心としたスポーツ文化の成り立ちを検証することで,「地域密着クラブ」作りを目指す日本のサッカークラブにとって,必要な理念を提案することを目的とした論文。
フェラインとは仲間や同志の集まりを指しており、英語ではassociation、日本語では協会、社団に相当し、NPOに近い存在。
フェラインには営利,非営利が存在し,フースバルフェラインは営利に相当。
フースバルフェラインに属する会員は,アクティブ会員とパッシブ会員の二つに分類される。
アクティブ会員は,実際に活動を行っている会員(プレーヤー、指導者など)。
パッシブ会員は,日常的に実際の活動を行っていない会員(アイデンティティを共有する人々)。
ドイツのフースバルフェラインによれば,人口の数は必ずしもサポーターや観客動員数と比例していない。
各フースバルフェラインがどのような取り組みをすることで地域住民との友好的な関係を構築しているかを知ることの重要性を示している。
フースバルフェラインにはアクティブ会員とパッシブ会員における上下関係が存在しない。
「フェライン=コミュニティ」の意識が強くなり、自分の生活が「社会=コミュニティ=フェライン」の中にあると実感できることが,もともとある帰属意識をフェラインへの強いアイデンティティへと育てる大きな要素になる。
続いて管理会計グループ。
アラタによる予算スラックに関するレヴュー。
古い論文は,スラックの存在を否定的に捉え,ゼロにすべきだと主張する。
Schiff and Lewin(1968),Lowe and Shaw (1968)の研究。
スラックを肯定的に捉える先行研究
Merchant and Manzoni(1989)の研究
北米に所在する12社におけるプロフィットセンター長とその上司を対象にインタビュー
①短期的に生じる不確実性に対応して業務の柔軟性を増加させる。
②予算の達成を「成功」させることでプロフィットセンター長のモチベーションを高める。
③企業外部の不確実な要因による目標コミットメントの欠如に関するリスクを減らし,モチベーションの低下を防ぐ。
④過度の利益プレッシャーを和らげ「利益操作」を防ぐ。
Davila and Wouters (2005) の研究
物流センタの上位マネージャーと予算編成部長に対するインタビュー
予想外の需要の増加や期待需要の増加のような緊急時においても,顧客満足などの非財務目標に対する注意を失わないために組み込まれることが示された 。
管理会計グループは、テーマごとのレヴューの結果を相互に関連づけることにもっと取り組まないと。
今は素材をぶつ切りのままお皿に並べているだけの状態のようなもの。
手を加えた素材を、和えたり混ぜたり、そのうえで煮たり焼いたりってしないと。
最後に組織心理グループ。
ユウマによるサーバントリーダーシップ理論の起源に関する論文の報告。
サーバントリーダーシップ理論の起源を分析し,それがキリスト教であると特定するためにしばしば引用される2つの聖書の一説を解読し,幾つかのキリスト教的行動とサーバントリーダーシップの要素を比較。
次にリョウタの発表。
営業組織のトップがサーバントリーダーシップを発揮すると,組織市民行動,フォロワーのパフォーマンスや満足度が徐々に向上。また,フォロワーの自発性を高めていた。
このグループは、サーバントリーダーシップの先行要因と結果要因に着目してレヴュー対象論文を絞り込んでいるのだから、レヴューの結果、それらの要因としてどのようなものが明らかにされてきたのかについて整理して発表しないと。
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