2016年9月30日金曜日

一本道

今日は午前中にミーティングで新宿へ。
炎のような情熱を持つ若者と会い,来年の新規講座開設へ意欲を高める。

その業火の余韻が影響したか…
4年のゼミを6時間した後,久しぶりに4年と飲んだ。
楽しかった。
そして…なぜかあの詩を想い出した。
今日一日の出来事がそれを思い出させたのか…
ここ最近の出来事がそうさせたのか…
分からんが…



友部正人「一本道」

ふと後をふり返ると
そこには夕焼けがありました
本当に何年ぶりのこと

そこには夕焼けがありました

あれからどの位たったのか
あれからどの位たったのか

ひとつ足を踏み出すごとに
影は後に伸びていきます
悲しい毒ははるかな海を染め
今日も一日が終ろうとしています
しんせい一箱分の一日を
指でひねってごみ箱の中

僕は今 阿佐ヶ谷の駅に立ち
電車を待っているところ
何もなかった事にしましょうと
今日も日が暮れました
あヽ中央線よ空を飛んで
あの娘の胸に突き刺され

どこへ行くのかこの一本道
西も東もわからない
行けども行けども見知らぬ街で
これが東京というものかしら
たずねてみても誰も答えちゃくれない
だから僕ももう聞かないよ

お銚子のすき間からのぞいてみると
そこには幸せがありました
幸せはホッペタを寄せあって
二人お酒をのんでました
その時月が話しかけます
もうすぐ夜が明けますよ



中学時代に吉田卓郎の「制服」に衝撃を受け,そこからフォークソングを遡る旅をして,今広島にいる親友から友部のテープを貰い,深い海を漂った。
阿佐ヶ谷の雀荘で朝を迎える高校時代…
その懈怠が,この詩を聞くと,染み入るように想い出される。
そのすべてがすべて今の自分を形作っている。
だからかなぁ…

「しんせい」なんて今の若い奴ら知らんだろ。
タバコの銘柄。
安いっ奴。
俺はバッド派だったけど。
中也が好きだったからね。
「しんせい一箱分の一日」,秀逸。
こんな一節,普通の人間にゃ思いつかんわ。
底辺,ドブの中,怠惰の極み,そんなもんを経験した人間しか,絶対に浮かばんフレーズ。


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