是非読んでみたい本だ。
モリー・グプティル・マニング『戦地の図書館』東京創元社.
日曜日の日経新聞に書評が掲載されていた。
アメリカは面白い国だ。
戦争において恐ろしい謀略も行うが,こういう素晴らしい行いも平気で実践する。
実践していたのは…第二次世界大戦中に「兵隊文庫」を創刊し,本を戦地に送り続けるということ。
その数1億2300万冊余り。
戦時中にナチスによって焚書された本の数1億冊を上回る。
シェイクスピアやディケンズなどの名作・詩集だけではなく,娯楽本や,敵国ドイツのトーマス・マンの作品すらあったという。
他方で,ナチスは,「純粋なドイツ人」らしからぬ本を焚書し,アウシュヴィッツの収容所では,収容者から読み書きの手段を奪った。
読み書きを通じて,人間は表現力と想像力を駆り立てる。
そういった人間にとって最も大事な知的活動を封鎖され,生きる気力が失われていくという。
アウシュヴィッツの生還者は,それを「人間性の壊死」と呼んだという。
渡辺ゼミのOBOGの諸君,そして現役生の諸君,いやこのブログをもしかしたら見ているかもしれない学生諸君,君らは自ら人間性を壊死させていないか?
自ら進んで収容所に入り,身をゆだねてしまってはいないか?
表現力と想像力を解き放ちたくはないか?
人間がすることで,して遅すぎることなんてない。
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