本日のプロデュース論最終回の講師は,毎日新聞東京本社のプロジェクト推進室プロデューサーの猪狩淳一氏。
テーマは,新聞社にしては意外と思われるだろうが,地域のブランディングのための「映像」の力。
地域ブランディングとは…
誰に(地域住民,観光客,移住者),何を(特産品等),効果は(知名度,イメージ),メリットは(移住者の増加,特産品の販売促進,ふるさと納税)
地域と映像コンテンツ…
フィルムコミッション(誘致組織)などのロケ誘致が活発化。全国300団体以上に。
単純なロケ誘致から地方自治体や地方企業,団体などが出資,企画に参加する作品も。
映像の効果…
「伝える際には,わかりやすい物語や象徴的なアイコンを用意することが効果的だ。映像をはじめとするエンタテイメントは「つかんで離さない」という意味があるように,物語を伝えることに適した手法である。」by Bob Deutsch
例:「君の名は」岐阜県飛騨市が舞台に…世界的ヒットで聖地巡礼が増加…市長自らが製作側と交渉…海賊版グッズなどのトラブルも
例:「やくならマグカップ」岐阜県多治見市の企業が原作を製作…日本アニメーションがアニメ化…声優が出演する実写パートで地元を紹介…地域のPRコンテンツとして活用(ロケ地や声優さんたちが訪問した場所のマップを作成したり,声優による観光地の音声ガイドを作成したり,Vtuberによる観光ガイドを作成したり,アニメのコラボ商品としてマグカップ等を製造販売したりふるさと納税の返礼品としたり,アニメのキャラをラッピングした公用の痛車を創ったり…)
例:「今はちょっと,ついていないだけ」映画製作に4つの自治体が参加…企業版ふるさと納税や文化振興基金で支援…各地でロケ(愛知県幸田町…プロローグの実家・病院,千葉県茂原市…エピソード2のシェアハウス・ドラッグストア,長野県千曲市…エピソード3のアウトドア,長崎県島原市…エピソード4の巻島家,市民が映画作りを体験)…地域のPRコンテンツとして活用(記者会見,イベント,ポスター掲示,広告媒体,SNS等を通じてPRしたり,支援団体を通じて初日動員活動を行ったり,ふるさと納税の返礼品としてDVDを買い上げたりして動員に協力したり,芸能人等とロケ地ツアーをしたり)
まとめ…
地域活性化にはブランディングが重要
ブランディングにはストーリーを語る映像がカギ
コンテンツ制作に地域がコミットする
PR映像とレベルの違うクオリティで発信
話題性,広がりが期待できる
今日は,読売テレビの西田二郎さんにもご参加いただき,最後は猪狩さんとトークセッションで締める!!