「畏敬の念,日常のストレス,そして生活満足度の向上(Awe, daily stress, and elevated life satisfaction)」という論文。
面白い。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33764120/
Aweを「畏敬の念」と訳すか,「畏怖の念」と訳すかによって,だいぶ意味合いが変わってくるが(畏怖の念に近いか),以下アブストラクト。
畏怖の念を感じる体験は,日々のストレスの意味を変えると広く考えられている。我々,6つの研究で,畏怖の念の体験が,日々のストレスレベルの軽減につながり,その結果,人生の満足度の向上につながるかどうかを検証した。
まず,日常的に大きな畏怖を感じる傾向にある人(研究1)や,特徴的な畏怖のレベルが高い人(研究2)は,他のポジティブな感情をコントロールした後でも,日常的なストレスのレベルが低いことが分かった。
その後の実験では,畏怖の念(娯楽、喜び、誇りと比較して)をプライミングすると,日常的なストレスのレベルが低くなり(研究3および5),日常的なストレスについて話しているときの交感神経の自律的な興奮のレベルが低くなることが分かった(研究4)。
最後に,自然を利用した研究では,高さ200フィートの塔の頂上で畏怖の念を抱いた参加者は,日常のストレスと日常の中心的な関心事のレベルが低下することが分かった(研究6)。
媒介分析の結果,(a)畏怖の念と日常的なストレスの軽減との関連は,自己と比較した広大さ・巨大さの評価によって説明できること,(b)畏怖の念と日常的なストレスの軽減との関係は,畏怖の念が人生の満足度に及ぼすポジティブな影響を説明するのに役立つこと,が明らかになった。
以上の結果から,畏怖の念を体験することで,日常的なストレス要因をその場で整理することができ,その結果,幸福感が高まることが示唆された。
これって企業研修等で使えそうだなぁ。